【雑誌紹介】 原発体制は「現代のバベルの塔」 『福音と世界』8月号

 特集「現代のバベルの塔―反オリンピック・反万博」。「混乱(バラル)の民として生きる―オリンピック・万博に反対する〈解放の神学〉(有住航=日本基督教団下落合教会牧師)、「『古代の廃墟』としての近代」の廃墟―ボイコット2020(入江公康=非常勤講師)、「参加しない勇気―大阪万博をめぐる断片的考察」(酒井隆史=大阪府立大学教員)、「その輝きには要注意!―『参加すること』に意義はあるのか?(田中東子=大妻女子大学文学部教授)、「オリンピックとカジノ万博は現代のバベルの塔か?―科学技術とプロテスタンティズムの倫理」(塚原東吾=神戸大学教授)、「生活against オリンピック―路上のアーティスト・いちむらみさこの見た景色」。編集後記で《キリスト教界は、「人類の進歩と調和」を謳う一九七〇年の万博に「キリスト教館」を出展する是非をめぐって激しい論争と対立を経験しました。その後半世紀近くを閲しましたが、当時問われた問題は依然として、否むしろ更に巨大化した「バベルの塔」として、私たちの前に立ちはだかっています》と記されている。

 「遺跡が語る聖書の世界」(8)に注目。立教大学准教授の長谷川修一が「碑文」について実物の写真とともに紹介している。《今からずいぶん昔に生きていた人々の名前や彼らが行ったこと、様々な出来事を私たちが知ることができるのは、文字の存在に依る。「歴史はシュメールに始まる」とは著名なシュメール学者S・N・クレーマーの著書のタイトルだが、シュメール人たちが史上最古の文字を発明した結果、古代について私たちが得られる情報が爆発的に増えたのであるから、まさに言い得て妙と言えよう。文字が出現する前の時代を先史時代、出現して以後の時代を歴史時代と呼ぶのも同じ理由である。

 聖書に記された出来事ほとんどもまた、文字がなければまず知られることがなかったであろう。文字がなければ、聖書も存在しない。したがってモーセもダビデも、ひょっとするとイエスの名も私たちは知らなかったかもしれない。》

【本体588円+税】
【新教出版社】

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