【書評】 『遠藤周作と井上洋治 日本に根づくキリスト教を求めた同志』 山根道公

 1950年、共に20代であった遠藤周作と井上洋治は、大きな期待と悲壮的な覚悟を持って渡仏する者同士、偶然にも同じ船に乗り合わせ、劣悪な環境の四等船室での裸の付き合いを通して親交を深めていく。日本キリスト教史に残る名著を多く生み出した遠藤と、神父として日本人に寄り添うキリスト教を探し続けた井上。最もよき理解者であり、戦友となっていく二人は、人生をかけて取り組むべき課題を互いに見出していく。

 彼らはどこを目指し、何を求めて信仰を貫いたのか。生涯にわたる厚い友情と信仰を、遠藤・井上それぞれの言葉を引用しつつ、リアルかつドラマチックに描く。泥臭く「神とは」「私とは」「日本人とは」といった疑問を追い続ける二人の歩みは、自己評価の低さ、生活の忙しさ、人間関係など多くの苦しみを抱える私たち現代人の心を強く揺さぶる。

【本体2,000円+税】
【日本キリスト教団出版局】978-4818410404

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