【既刊】『説教をめぐる知恵の言葉 上 -古代から現代まで』 リチャード・リシャー(加藤常昭監訳)

60名に近い神学者たちの言葉を集めたキリスト教説教学資料集!

本書は説教の技法について、「説教とは何か」「説教者」「神の言葉を語ること」「聖書の解釈」「レトリック」「聴衆」「説教と教会」の7つのテーマに沿って編集され、いまなお多くの人に支持されているアンソロジー。説教を語る上で欠かせないアウグスティヌス、ルター、カルヴァン、フォーサイス、ブルトマン、バルト、ウィリモン、クラドックなどによる多彩な文献を付す。【『説教をめぐる知恵の言葉』は、いったいどんな本なのか】

<日本基督教団代田教会牧師 平野克己氏>
 すでに大部のマクグラスの『キリスト教神学資料集』(上・下)がキリスト新聞社から翻訳出版されているように、英語圏では「資料集」の出版が相次いでいます。
 これらは、いま神学校の多くの教室で副読本として用いられているものです。その道で一流の教授が、これだけは読んでほしいと思われる基本的な書物から文章を引き抜き、しかもその特徴を必要最小限の言葉で適確に指摘しながら、学生たちが直接文章と対話できるようにさせ、そのようにして思索を啓発するのです。
 こうした書物の登場は、ずいぶん昔に神学校を卒業した者たちにとっても、何と喜ばしいことであるかと思います。もう基本文献を一から自分の手で捜す必要はありません。手元に与えられた一冊の本を通して、2000年の神学を形づくってきた代表的な言葉にふれることができるのです。
 説教者同士で、説教をめぐる対話をすることは実に楽しいことです。時間を忘れて、あれこれと語り合うことができます。この本の登場によって、本を開きさえすれば、教会の歴史を築いてきたアウグスティーヌス以来の説教者たちと語り合うことができるようになりました。やがて出版されることになる下巻と合わせると、上下巻で15,000円弱。ずいぶんと高いものですが、それでも60名に近い様々な説教の先生たちの教室に座ることができることを想像すれば、何と安い聴講料でしょう!

※この本は次のような使い道があります。
①説教を構成する様々な要素について、じっくりと考えてみることができる。
本書には、「説教とは何か」「説教者」「神の言葉を語ること」「聖書の解釈」「レトリック」「聴き手」「説教と教会」に沿って、それぞれ6編から11編の文章が収録されています。どれも説教にとって不可欠な要素です。そのひとつひとつにじっくりと思いを馳せることができるでしょう。
②自分の説教スタイルを意識化することができる。私たちは、それぞれが出会ってきた様々な人びとの影響を受けながら、自分の説教を形づくっています。けれども、私たちが実際に出会うことのできる人たちの範囲は案外狭いのです。小説家であれば、他の人の作品を読めるでしょう。料理人であれば、評判の店を食べ歩くこともできるでしょう。けれども私たち説教者は、あちらこちらの教会を訪ねることはできません。この本には、ローマ・カトリック教会、長老派、会衆派、ルター派、バプテスト、ペンテコステ派などなど、多様な人たちの声が満載です。そうしながら、自分の説教がどのような歴史と信仰を辿ってきたのかを振り返ることができるでしょう。
③いま最も説教学が盛んなアメリカには、いったいどのような人物がいて、どのような発言をしているのかを知ることができる。
現在のアメリカの説教に多大な影響を与えている存命の説教学者たちの声も多く載せられています。上巻には、聖公会の女性説教者バーバラ・ブラウン・テイラー、黒人説教者の大御所ガードナー・C・テイラー、今なお刺激を与え続ける旧約学者ウォルター・ブリュッゲマン、ヒスパニックの代表的な神学者ゴンサレス夫妻、最も信頼を集めている新約聖書学者リチャード・B・ヘイズ。さらに下巻には、現代アメリカの説教学の第一世代であるクラドック、第二世代のバトリック、ウィリモン、そして第三世代のC・H・キャンベルなど。どの名前も、もっともっと日本で知られてよい名前です。いま同時代を生きている、彼らの生き生きとした説教論に直接触れる贅沢を味わうことができるでしょう。

【目次】
■Ⅰ 説教とは何か
リルのアラーヌス/フリードリヒ・シュライアマハー/フィリップス・ブルックス/C・H・ドッド/ディートリッヒ・ボンヘッファー/カール・マイケルソン/バーバラ・ブラウン・テイラー
■Ⅱ 説教者
イオン・クリュソストモス/ジョージ・ハーバート/リチャード・バクスター/ジャレーナ・リー/ホーレス・ブッシュネル/フィービー・パーマー/P・T・フォーサイス/ガードナー・C・テイラー
■Ⅲ 神の言葉を語ること
マルティン・ルター/ジョナサン・エドワーズ/ジョン・ウェスレー/チャールズ・グランディソン・フィニー/H・H・ファーマー/ヘンリー・H・ミッチェル/ウォルター・ブリュッゲマン
■Ⅳ 聖書の解釈
アウグスティヌス/ヨハネ・カッシアヌス/マルティン・ルター/ルードルフ・ブルトマン/ゲアハルト・エーベリング/ポール・リクール/ジェームズ・A・サンダース/ニコラス・ラッシュ/キャサリン・ドゥーブ・サーケンフェルド/フスト・L・ゴンサレス、キャサリン・G・ゴンサレス/リチャード・B・ヘイズ

リチャード・リシャー=デューク大学教授
加藤常昭=神学者、説教塾主宰

※これまでのご案内では、タイトルを『キリスト教説教学資料集 上』としていましたが、上記に改変いたしました。

【A5判・443頁 定価7,150円(本体6,500円+税)】
【キリスト新聞社】9784873955612

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