【書評】 『天国からの帰還 真実の物語――ある医師の死、天国、天使、そして生還をめぐる驚くべき証言』 メアリー・C・ニール 著、三ツ本武仁 訳

 カヤック事故によって命を落としかけ、「臨死体験」をした著者が、蘇生法によって息を吹き返すまでのあいだに体験した天国での経験を「キリスト教信仰の文脈で」綴った本書。

 筆者の臨死体験がいかなるものであったかは、ぜひ本書を読んでいただきたい。しかし、それよりも読むべき点は、著者が確信を持って語る神とみ言葉に対する絶対的な信頼である。

 事故から本書の執筆までに10年以上も悩み熟考したという著者は、「私に与えられた仕事は、できるだけ的確かつ明瞭に自分の経験を語り、人々とそれを分かち合うこと」「私は自分の人生経験の詳細を、他の人々が模倣すべきものとしてではなく、もしあなたの神への信仰が深い信頼に満ちたものへと変わるならば、あなたは感謝と喜びをもってあらゆる困難に立ち向かうことができることを示すものとして記したつもり」と語る。

 また、訳者はあとがきで、「人生の悲喜交々のドラマを……臨死体験を通してご自身(著者)に深く示された神の愛とそのご計画に照らして解釈し、受け入れて」いったことこそが、翻訳の意義であると書いている。

 決して「臨死体験」(死後の世界)に対する好奇心を満たしたり、その是非を問うための内容ではないし、ましてや彼女の「特別な霊的体験」に妬みを抱いたり、「信仰自慢」だと受け取られることは、著者の願うところではない(実際にこのような反応があったことが本書には記されている)。信仰を持つことへの憧れ、励み、確信となることを願って書かれた、一信仰者の神と共に歩む日々の証しである。

 「私たちはたとえどのような状況にあっても、神が必ず約束を果たしてくださること、信仰は十分に支えになること、永遠の命が保証されていることを感謝できるのです」

【本体1,600円+税】
【株式会社ヨベル】978-4907486976

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