【書評】 『神の祝福をあなたに。 歌舞伎町の裏からゴッドブレス!』 関野和寛

 月刊『こころの友』に連載された、「ロッケン牧師」こと関野和寛牧師によるエッセイが書籍化された。「新宿歌舞伎町裏」の教会の扉が、さまざまな音を立てて開けられる。「ドガンッ!」と開いて入ってくるのは、足抜けヤクザを騙る人や、某国のスパイに追われているという人。「バタン!」は、捨て猫の預け先を探す小さな男の子。「パタン」は、末期ガンで葬儀を依頼しに来た初老のご婦人や、教会に来て「夏休みの自由研究のテーマをLGBTのことにした」という女の子。

 他にも、外国籍の人々、歌舞伎町で働く人々、薬物依存症の人、どこか訳ありのようだが真剣な様子で挙式を願う中年カップルなどなど。いつ何時、どんな音を立てて入って来る人にも、神の祝福を祈る牧師の働きが清々しい。

 「だれもが今日、大きな悲しみと向き合って生きている。そしてわたしは悲しみのあるところにこそ小さなキリストを届けたいと願うのだ。はっきり言って世の牧師のように難しい神学の知識や言葉は持ち合わせてはいない。ただこの背中に小さなキリストがいてくださるのみである。ただただ悲しむ人と共に悲しみ、小さなキリストが与えてくれる奇跡をいただきたい。そんな牧師でわたしはあり続けたいと思う」

【本体1,000円+税】
【日本キリスト教団出版局】978-4818410435

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