【雑誌紹介】 各信徒の持つカリスマを発揮して 『福音宣教』1月号

 特集「月間テーマ『主を求めて歩みだす』」。「北国の共同宣教司牧」(阿部慶太=フランシスコ会司祭)は、「共同宣教司牧」の理念や始まった経緯が異なることを紹介しているが、「複数の小教区を数人の司祭が共同で受け持ち、修道者、信徒と協力して、ミサのできない主日に小教区での集会祭儀や信徒によるカテケージスクラス、教会運営などを行う」ということでは共通している。そして「共同宣教司牧後の反応としての大きな変化は、司祭不在でも集まることが定番化したことです。それまでは、『司祭がいない』=『リーダー不在』のような感覚があったのですが、そうではなく、『自分たちへの共同体』という意識が定着しました」と。

 「具体的に言うなら、共同体を協力して運営し、信徒がそれぞれの能力に応じた宣教を行い、司祭不在の際に集会祭儀やともに祈ることを通じて、先例によって与えられた恵みを生きるということです」。「また、信徒の役割が共同宣教司牧という形態の中で、典礼奉仕、教会運営、周辺地域への働きかけなどが多様化することで、各信徒の持つカリスマ(音楽や手仕事など特別な個々に与えられた才能)が発揮されるケースも出ています」。

 新連載が7本。「アンジェラスの鐘」(加藤美紀=仙台白百合女子大学グローバルスタディーズ学科准教授)は信仰の歩みと導きの思いを綴る。大瀬高司(カルメル修道会司祭)の「近代日本とカトリック教会――山本信次郎研究ノートより」は昨年度連載「山本信次郎」の続編として主に大正・昭和期を中心とした日本のカトリック教会に関する出来事や人物を取り上げる。加藤久美子(南山大学准教授)の「知恵ある者たちのアフォリズム」は、知恵をめぐる旧約聖書の諸文書を解説。杉本ゆり(聖グレゴリオの家・宗教音楽研究所資料室勤務)の「聖歌と賛歌」は、聖歌、賛歌の歴史における民衆の霊性と多様性をめぐる考察。吉川まみ(上智大学神学部准教授)の「いのちの交わりの場――エコロジカルな暮らしのために」は、ますます緊急性と重要性を持つ環境問題をめぐり、未来のライフスタイルを探る。大野高志(日本医療伝道会チャプレン)「かたわらに、今、たたずんで」は病院チャプレンの日々の寄り添い、信仰についての随想。大西勇史(広島教区司祭)の「新米神父の開拓奮闘記」では、宣教のためのアイディアが飛び出すか。

【本体600円+税】
【オリエンス宗教研究所】

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