【雑誌紹介】 からだをめぐる権利は蹂躙され 『福音と世界』3月号

 特集「リプロダクティブ・ヘルス&ライツ」。「『性と生殖に関する健康と権利』との訳語が的確に示すように、『リプロダクティブ』とは『産む・産まない』のみならず、『性』を持つからだのあり方全般を意味し、またその『健康』はすべての人の『権利』である。この重要な概念が提唱されて久しいにもかかわらず、今なおからだをめぐる権利は蹂躙されている。本特集を通じてまずは現状を知り、その原因と、改善に向けて踏み出すべき一歩を考えてほしい」というのが編集者の願い。

 「リプロVS人口政策・家父長制」(大橋由香子=フリーライター・編集者)、「激化する中絶論争――米国でなにが起きているか」(芦野由利子=公益財団法人ジョイセフ理事)、「日本における中絶の実態」(塚原久美=中絶問題研究者)、「障害のある女性たちのリプロダクティブ・ヘルス&ライツ&フリーダム」(瀬山紀子=大学非常勤講師)、「キリスト教とリプロダクティブ・ヘルス&ライツ――再度、人工妊娠中絶をめぐって」(大嶋果織=共愛学園前橋国際大学教員、宗教主任)、「つながる現場としての『からだ』――原点を確認する」(高橋さきの=翻訳者・お茶の水女子大学非常勤講師)で特集を構成した。

 連載では、「遺跡が語る聖書の世界」(長谷川修一=立教大学教授)の「印章」で「愛する人の心や身体に、消えぬ印影として自分を捺して欲しいと切に望む熱い気持ちが、今回の連載記事を読んだ読者諸賢に具体的なイメージとして少しでも伝わることを願う」、と筆者が文末に記しているのに感銘を受けた。ノンフィクション作家、石井光太の連載「神の酒」が最終回。「いつかは終わる」と覚悟はしていたが、改めて残念に思う。

【本体588円+税】
【新教出版社】

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