【雑誌紹介】 東京ドーム教皇ミサの侍者として 『聖母の騎士』3月号

 教皇フランシスコの4日間にわたる訪日のハイライトは11月25日に東京ドームで行われた教皇ミサ。祭壇内陣で奉仕する侍者を依頼されたコンベンツアル聖フランシスコ修道会の外山祈(あきら)神学生が準備や当日の体験などを記している。

 「私は香炉の役割を受け持っていたので、福音朗読の直前に香を入れて頂くべく教皇様の前にひざまずき、香炉を開けて差し出しました。その際、何とはなしに教皇様のお顔を拝見したのですが、その時受けた印象は『驚くほど疲れていらっしゃる』というものでした。……椅子に深く腰掛けられ、呼吸は少し荒く、香を入れるためにさじを持たれる手はわずかながら震えており、香を入れられた後の祝福も精一杯の力でなさっているという感じでした。不遜ではありますが『最後までミサを挙行できるだろうか』と少し不安になってしまいました。そうした一抹の不安がありつつもミサは進行します。『感謝の賛歌』が歌われ始めると同時に私は他の侍者と共に祭壇の前に進み出てひざまずきました。……聖変化の後に教皇様が顕示される聖体と御血に献香するためです。そしてこの献香の瞬間こそが、私にとってこの教皇ミサの中で最も印象深い時間でありました。教皇様は聖体と御血をそれぞれご自分の頭の上くらいの高さまで掲げられました。私はミサ総則が定める回数だけ香を振り、鐘を担当する侍者は同じ様に指示された回数だけ鐘を鳴らしました。しかし教皇様は香を振り終わり、鐘を鳴らし終わった後もしばらく聖体を掲げていらしたのです。御血についても同様でした。この時、教皇様は聖体と御血を本当にじっくりと見つめていらっしゃいました。この時の教皇様もお顔を拝見する限りやはり疲れていらっしゃるご様子でした。しかしそれにもかかわらず、あるいは逆にだからこそ、教皇様が聖体と御血を見つめていらっしゃる時の『集中』は本当に深いもの、もっと言えば『迫力のあるもの』であったと私は感じられました。ミサには五万人の方が参加され、もちろん教皇様はその中の一人としてミサを挙行されているわけですが、しかし聖体と御血を見つめていらっしゃるあのわずかな時間、教皇様は誰が何人その場に集まっているかなどとは一切関係なく、ただひたすら『私(教皇様)とイエスだけがいる場』に深く入り込まれていたように感じました。教皇様があの瞬間、何を思われ何をお考えになりながら聖体と御血を見つめていらっしゃったのかは私にも分かりません。また知る必要もないでしょう。しかし例えどのようなお気持ちであったにせよ、教皇様は聖体と御血の中におられるイエスと神に出会っていたのだと思います」

 「私にとって『教皇の』ミサで侍者を務めたこと、また教皇様ご自身とほんの一瞬ではありますが対面して握手もして頂けた事は大きなお恵みでした。しかし本当に大きな発見とは『教皇フランシスコ』が『司祭(神学的には司教ですが)フランシスコ』であると改めて、というより事実上初めて気づかされた事だったのかもしれません」

【本体225円+税】
【聖母の騎士社】

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