【書評】 『神さまと共に歩む道「子どもと親のカテキズム」解説』 日本キリスト改革派教会大会教育委員会 著/牧田吉和 監修

 本書は、日本キリスト改革派教会大会委員会によって2014年に出版された『子どもと親のカテキズム』の解説書である。

 歴史的改革派教会と同様、教理教育に特に熱心であることを「カラー」とする日本キリスト改革派教会では、『ウェストミンスター信仰基準』を中心に『ウェストミンスター小教理問答』や『ジュネーブ教会信仰問答』が学ばれ、子どもへの教理教育にも『ウェストミンスター小教理問答』が用いられてきた。ところが、「現在の子どもたちには少し難しすぎるという判断があった」ため、「『ウェストミンスター小教理問答』への〝橋渡し〟となるような『新しいカテキズム』を必要とすると考えるようにな」ったことが、『子どもと親のカテキズム』出版の背景であるとのこと。

 教会員子弟に対する信仰教育は、親の第一の責務であるとされ(教会の責務でもある)、そこでは「親において象徴される信仰の先輩との人格的対話、交わりが不可欠」であり、「その意味で、本書は何よりも『親・教師』のためのもので」ある。信仰教育の場では、親(大人)自身が聖書に基づく教理を実際に生き、子どもと信仰について人格的対話ができる者であることが望まれている。大人が子どもに一方的に教え込むことが信仰教育ではないということだ。このことが『子どもと親のカテキズム』というタイトルで表されているのである。

 このように、日本キリスト改革派教会の特性を全面に出しながらも、『子どもと親のカテキズム』は「歴史的諸信仰問答の信仰的伝統を継承」することで教派を越えた公同性を備え、求道者、他教派の信徒にも用いやすい内容となっている。「世界の中でたったひとりでも、教理を学ぶことによって神との対話を深め、それによって良心を磨かれ鍛えられ、主イエス・キリストと深く結ばれたキリスト者、つまり教理を体得する人間が育つなら、世界はそこに希望を見出すことでしょう」

【本体2,000円+税】
【教文館】978-4764261488

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