【書評】 『病と信仰 病を担うイエスと生きる』 黒鳥偉作

 医師であり、日本キリスト教団補教師(伝道師)でもある著者。「病を担うイエスさまの御心は、私たちの思いを越えて、私たちのすぐ近くにお られる」と信じる著者が、病を担う生き方について考える。

 第一部では、聖書に登場する「苦難のしもべ」やパウロ、ヨブ、安息日への考察と医療の現場での出会いを通して、「病を担う」イエス・キリストを証言すると共に、病を担う人々こそが神により一層愛され、恵みを受けるにふさわしい癒やし人となれる(癒やし人である)こと、とりなす者となれることを語る。

 第二部では、キリスト者精神科医として知られ、「病の創造的な意味」を探し求めた平山正実の信仰と、「傷ついた癒し人」ヘンリ・ナウエンの心の軌跡と生き方を紹介する。

 「診察室は祈りの場である」というのが、平山の口癖だったという。「むろん、医療現場は神学論争や信仰問答をする場ではありません。医療者として、科学的な思考をもとに治療を目指すという姿勢を忘れてはなりません。一方、信仰者として病む人を支え、他者への愛を実践することには祈りが必要です。祈りこそ目の前にいる人の存在を肯定する姿勢に他ならないのであり、その二つの視点をもって医療に向き合う姿こそ、平山先生が身にまとってきた信仰でした。どちらも否定することなく、己の限界をわきまえながら、なおも心悩む方々の癒やしと救いを信じる生き方を実践したのです」

【本体1,300円+税】
【日本キリスト教団出版局】978-4818410695

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