【書評】 『好きなものを「推す」だけ。 共感される文章術』 Jini

 誰もが気軽に情報発信でき、好きなモノ、コト、ヒトについて、「どこがどう素晴らしいのか」を言語化する能力が否応なく求められる「1億総ジャーナリスト時代」に、宗教的価値観を伝えるとはどういうことか。またそのために有効な文章術とは何かを、プロの批評家に学ぶ新鮮な読後感が味わえる。

 ブログもSNSもなかったころ、トラクトやチラシを無差別に配っていた伝道方法がすでに有効ではなくなっている中で、「推し」の魅力をどう伝えるかは重い課題のはず。かつて『前田敦子はキリストを超えた』の著者で社会学者の濱野智史氏が、「推し」への愛を信仰と重ね、宣教師のモチベーションは相手を「推し変」(改宗)させることにあったと論じたように、ヒントは共感される「推し」方にある。

 「ただ熱いだけでもただ詳しいだけでも足りない。推しで重要なのは『情熱』と『理解』の両輪」「相手の推しもやっぱり尊い」など、「推し」と「布教」をつなぐための補助線を見出し、これからの教会の発信手段を考える上でも有効な至言にあふれた本。

【本体1,300円+税】
【KADOKAWA】978-4046047571

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