【雑誌紹介】 教皇、老境の本音を存分に語る 『カトリック生活』1月号

 特集「『信じる』ということ」。

 「教皇フランシスコにおける『信じる』こと」(阿部仲麻呂=サレジオ会司祭)

 「二〇二〇年にイタリアで刊行された『CREDO』という本には大いに魅了されました。教皇フランシスコとマルコ・ポッツァ師との『使徒信条』をめぐる対話の記録です。……この本では教皇フランシスコの老境の本音が存分に語られています。二〇二一年十二月十七日に八十六歳となった教皇は、生い先の短さを実感しており、ひたすら神のふところに迎えられる安らぎの日を待ち焦がれています。その際、『放蕩息子を迎えて抱きしめる父親の寛大なやさしさ』が教皇にとっての神のイメージです。こうした話題は『CREDO』の中に頻繁に出てきます。

 しかし、「放蕩息子を迎える気前のよい父親」のイメージはイエス・キリストがたとえ話によって私たちに教えたものです(ルカ15・11~32)。普段私たちが読み流して、何も感じないままで通り過ぎる真実に気づかせるのが教皇フランシスコの気さくな語りかけです」

 「教皇フランシスコが好む人間の理想の振る舞いのイメージが『やさしさ』です。差別や偏見を乗り越えて敵をも助ける『善きサマリア人』の生き方を模範とする人類家族のつながりと連帯を強調する回勅『FRATELLI TUTTI (兄弟の皆さん)』(二〇二〇年十月発表)でも、人間同士の『やさしさ』の重要性がいく度も強調されます。そして庶民だけでなく政治家もまた『やさしさ』を深めるべきだとも述べられています(一九四項)」

 「今後の日本の教会の可能性は自分たちの古来からの文化のよさを聖書のメッセージの中核である『やさしさ』と重ね合わせて洗練させることです。『やさしさ』を生きるときに、日本のキリスト者は福音の本質を受け継ぐと同時に自分たちの文化をも活かせます。日本の教会は他の地域の教会に対して『やさしさ』の神学を示すことが今後の課題です」

【220円(本体200円+税)】
【ドン・ボスコ社】

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