【雑誌紹介】 「母を想う」=「人の子」を想う 『カトリック生活』5月号

 カトリック教会において5月は「聖母月」であり、5月の第2日曜日が「母の日」であることから組まれた特集「母を想う」。比較文化史家・バロック音楽奏者の竹下節子が連載「カトリック・サプリ」第191話「母を想えば」で、ヘロデ王が命じた「幼児虐殺」に触れている。

 「聖書には子どもがことごとく殺されたとあるだけで、母親についての記述はない。にもかかわらず、人々の記憶に刻まれたのは、泣き叫ぶ母親や兵士に果敢に立ち向かう母親、ときには祖母とみられる老女、子どもとともに殺される母たちの姿だった。……無数の画家たちが、武器を持つ兵士に蹂躙(じゅうりん)される母子たちの修羅場を描いている。そこには不思議なことに『母子を守る父』はいない」

 「残念なことに、武器を持たない母親や子どもたちを無差別に攻撃する残虐な光景は遠い昔の遠い国でだけ繰り広げられたものではない。古今東西至るところで、既得権力に執着する無数のファラオやヘロデ王たちが武力で人々のいのちを奪ってきた」

 「『母を想う』ことは『人の子』を想うことであり、『人の子』を想うことは、いのちあるすべてのものを想うことだ。たった一人の幼子のいのちを奪ったり傷つけたりすることは、すべての母が紡いできた愛の連鎖を断つことに等しい」

【220円(本体200円+税)】
【ドン・ボスコ社】

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