【雑誌紹介】 自らを省みることなく助ける人に 『福音宣教』10月号

 7月号から始まった巻頭特別企画 第2部「人間を苦しめる経済の問題」。雨宮処凛(作家・活動家)、浜矩子(同志社大学大学院ビジネス研究科教授)、福嶋揚(東京大学、立教大学講師)、小林剛(同誌編集長)が意見を交わす。第3回のテーマは「政府がなくなっても生きられるようにする」。

 冒頭で雨宮が言う。「貧困に苦しんでいる人に生活保護を受けることを勧めても、それを嫌がるということがよくあります。『そこまで堕ちてない』と言います。『でも、所持金八円ですよね。今日からどうするのですか。雨も降っているし、野宿ですよ』ということになっても『自分はそこまで堕ちてない』というようにおっしゃる方が非常に多いです」

 これを受けて浜が問う。「キリスト教的な考え方、『幸いなるかな、弱き生き物』というような感覚に、雨宮さんのそのような問いかけに対する答えを形成できる面はないのでしょうか」と。

 「もちろんあると思います」と応じる福嶋。マタイ福音書25章42~43節に登場する6種類の人に言及する。「この六種類の人々のところに、無心で自らを省みることなく助ける人が現れるのです。私はその話を読むと、いつも山本太郎さんや雨宮さんのことを本当に思い浮かべます。……そういう活動は別に宗教的な姿をとっていなくても、宗教者が本来すべきことを率先して実行してくださっている、宗教者にとってのお手本であると思います。……宗教的な党派性ではなく、直接困っている人のところに行って助けることが今、何よりも必要なことで、実際に実践するのは大変なことだと思いますが、そういう現場や目線からしか社会は変わらないし、そこから変えられなかったら、浜先生がいみじくもおっしゃったように、この社会は本当に滅亡するしかないというぎりぎりのところに来ているのだと思います」

【660円(本体600円+税)】
【オリエンス宗教研究所】

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