【雑誌紹介】 文明というバベルの塔を築いた人類 『季刊・教師の友』2022年10、11、12月号

 特集「神さまがつくられたこの地球」。SDGs(持続可能な開発目標)という言葉がさまざまな場面で登場し、これを「ビジネスチャンス」と考える企業も現れる中で、「それがSDGsの本質でしょうか」と問いかけるのは、恵泉女学園大学教授の桃井和馬。「SDGsから考える子どもたちの未来」と題して言う。

 「スイスに本部を置くシンクタンク『ローマクラブ』が、『成長の限界』という報告書を出したのは一九七二年のことでした。幾何級数的に増大する人口と、地球にある、限りある資源・食糧・水などの関係破綻を警告したこの報告は、当時も少なからずインパクトを世界に与えました。しかし、当時の世界人口はおよそ三八億人と現在の半分以下でしたから、日本を含む世界の国々は『まだ大丈夫』と慢心し、二〇世紀型経済、すなわち大量生産、大量消費、大量廃棄を前提とした資源収奪型の経済成長を是認し続けたのです」

 「二〇三〇年初頭、世界人口は八五億人に達します。『成長の限界』が発表された当時から地球上の人間の数は二倍強となり、一九七二年当時予想された数々の問題も次々と現実になっています」

 「旧約聖書の時代から人間は、繰り返し驕り、簡単に高ぶる存在でした。……人類は『文明』というバベルの塔を築いたのかもしれません。二〇三〇年は人類にとって大きな節目となることは間違いないようです」

 「SDGsは、企業のビジネスチャンスのためにあるのでも、エコな生活を通して満足感を得るためにあるのでもありません。SDGsが投げかける問題の本質は……喫緊に取り組むべき問題、世界中の人々が有機的に協力することでしか解決することができない一七のゴールと一六九のターゲットなのです」

【本体1528円+税】
【日本キリスト教団出版局】

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