【書評】 『聖霊の上昇気流 神は見捨てなかった』 岩本遠億

 『366日元気が出る聖書のことば』の著者であり、牧師、宣教師、言語学教授でもある岩本遠億氏の自叙伝である。

 「今、私は、私の神であり主人であるイエス・キリストがどのように私に現れ。どのように癒し、立ち上がらせ、共に生き、教え導いてくださったかを書き残さなければならないと思います。私がこれから書き記すのは、神学や思想ではありません。事実です。人の失敗とそれに介入なさった神の事実だけを書き記します。事実だけが、イエス・キリストが今も生き、働いている神であることを明らかにするからです」(「はじめに」より)

 著者自身の半生を振り返りながら、家族、神の幕屋時代、信仰の喜び、そして一度は捨てるまでに至った信仰の葛藤、言語学の研究が拓かれていく道のり、そして圧倒的な聖霊による信仰の回復が描かれている。この生きた証は誰が何と言おうとも著者にとっては変わることのない事実であり、生きて働かれる神と共に歩む著者の人生である。

 著者の言葉を借りるなら、思弁的信仰から実存的信仰に生きていくことの赤裸々な証しとも言えるだろう。

 第一部と二部では著者の信仰的背景である「原始福音・神の幕屋(キリストの幕屋)」の創成期について、創立者手島郁郎亡き後の、混乱と変質、自らの信仰の喪失についても丁寧に説明を試みている(なお著者は1985年に確信をもって幕屋を脱退している)。

 「私が以下に書くことによって、痛みを覚える人や不快に思う人がいるかと思いますが、それについてはご容赦いただきたく思います。これを書かなければ、私が如何にキリストに出会い、聖霊を受けたかを記録することができないからです。これは岩本遠億の歴史です。手島先生後の幕屋の評価については、一個人の記録で決まるようなものではありません」(第二部「偉大な生涯に憧れて――憧れ・絶望・光」より)。

 著者の信仰的背景や信仰の歩みについて、さまざまな意見があることは容易に想像できる。しかし、一人のキリストに出会い救われた者の証しとして読む時、想像をはるかに超える神の豊かな恵みと働きに感動せざるを得ない。

 「私は、若い時に自分が育った無教会グループの神の幕屋を離れ、孤独でした。しかし、孤独な私に私の主イエス・キリストは溢れる聖霊、圧倒的な聖霊を注いで、私を満たし、癒し、そして、パプア・ニューギニアにまで伝道に遣わしてくださいました。主イエスは、どんな時にも私と共にいて、ご自身が生きて働く神であることを事実と実力をもって証してくださったのです」(「エピローグ」より)

【1,980円(本体1,800円+税)】
【ヨベル】978-4909871671

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