【雑誌紹介】 「伝えたかったもの」とは… 『サインズ・オブ・ザ・タイムズ』12月号

 1899年7月に『末世之福音(おわりのふくいん)』として誕生した同誌は今号で休刊となる。編集長の花田憲彦が特別記事「いちばん伝えたかったもの」と題し、歴代の編集者たちの思いを振り返る。

 「一九四三(昭和一八)年九月二〇日、セブンスデー・アドベンチスト教団に属する四二人の教職者や信徒が治安維持法違反被疑者として検挙されました。教会が掲げているキリストの再臨、世界の終末、神の国の到来という聖書の教えが、国体を否定するというのがその理由でした。教会や出版社の活動は即日停止。学校は廃校。病院は日本医療営団に強制委譲させられることとなりました」

 「本誌は、創刊当時から『文書伝道者』と呼ばれる人々によって読者のもとに届けられてきました。戦後、ある文書伝道者が本誌を販売しようと、東京・銀座にある法律事務所を訪問したときのことです。『アドベンチスト教会から来た〇〇です』と告げると、奥にいた所長が飛び出して来ました。……実はこの所長は、一九四三年九月の一斉検挙のとき、逮捕されたアドベンチスト教団の教職者数人を取り調べた検事だったのです。『あなたの教会の方々はみんな本当に穏やかだけれども、確信のある方々だった。キリスト教を迫害して、天皇だけが神様だと言った大日本帝国は本当に滅びてしまった。あなた方の言った通りだったね』」

 「人間が作り出した形あるものは――たとえ国家や社会であっても――必ずいつか滅びていきます。人間の思想や価値観もそうです。本誌を発行し続けてきた編集者たち、そしてそれを人々に届けた文書伝道者たちは、やがて消えゆくはかないもののためにではなく、彼らが『いちばん伝えたかったもの』のために生涯をかけたのです」

 「『サインズ・オブ・ザ・タイムズ』とは『時のしるし』という意味です。『時』とは何でしょうか。それは、救い主であるキリストが再びこの地上に来られる再臨の時を指しています」

 「『末世之福音』創刊号では、キリストの再臨について示しているダニエル書二章の預言解釈について、かなりのスペースを割いています。『その『時のしるし』は、この世界のあらゆるところに現れている。だから、救い主に会う備えをしてほしい』。それが創刊以来、編集者たちが持ち続けてきた思いでした」

【692円(本誌代+送料164円)】
【福音社】

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