【雑誌紹介】 いつまで女性は後回し? 『信徒の友』1月号

 特集「教会とジェンダー」。「日本人が初めて按手を受けて牧師になったのは1877年のこと。その人は男性で、按手を受けた初の女性牧師の誕生は半世紀以上後の1933年でした。それから今年で90年になります。女性牧師の数も割合も年々増えてきているような気もしますが、実感はありますか」と編集部が問い掛ける。

 鹿児島・川内教会牧師の戸田奈都子は「だれも後回しにされないために」と題して、「いつまで私たちは後回しなのでしょう」と問う。

 「牧会の現場を見渡すと、男女2人がいれば女性は補佐的役割、女性が主任牧師の場合はあまり大きくない教会。働き場はいまだ限定されているように思います。……地区、教区、教団のリーダー的な役職も、男性ばかりなのはなぜでしょう。本当にたまたまなのでしょうか」

 「夫婦で牧師の場合は、夫が主任牧師、妻が副牧師というパターンが圧倒的に多く、夫は名字で、妻は名前で先生と呼ばれると聞きます。もちろん個々の事情もありますが、多くの場合は『男性がいるのに、わざわざ女性が上に立つことを好まない』教会の空気感に配慮するか、あるいは争いたくないからでしょう」

 「誰も後回しにされない神の国の先取りを夢見て、女性たちの置かれ続けてきた場のしんどい空気を一緒に吸うことから、みんなで一歩前へと進みゆきたいと願っています」

 特集の最後には、「ジェンダーについて考える」という冊子を作った北海道・野幌教会、出席者名簿を男女別に記入することをやめて教会員の敬称を「~兄・姉」ではなく「~さん」に統一した青森・野辺地教会、「新来者が自分の居場所だと思える教会づくり」を模索する兵庫・夙川東教会の取り組みを編集部が紹介している。

【600円(本体545円+税)】
【日本キリスト教団出版局】

書籍一覧ページへ

  • 聖コレクション リアル神ゲーあります。「聖書で、遊ぼう。」聖書コレクション
  • 求人/募集/招聘