【雑誌紹介】 ことばが引き裂かれる時代に 『福音宣教』5月号

 フォーラム「最相葉月さんインタビュー」。全国のキリスト者を訪ね、膨大な数の信仰者の証言をまとめた『証し――日本のキリスト者』(KADOKAWA、2023年)を刊行したノンフィクションライターの最相が、自身の問題意識について語る。

 「こういう取材の仕方をしようと思った、もう一つの大きなきっかけはSNS時代になったことです。人のことばが、オリジナルは何だったか分からないくらいに引き裂かれて、他の人に拡散され、それが誤解に誤解を呼んで炎上する、そして誰かがバッシングされる。ちょっとしたミスだけでその人が立ち直れないくらい攻撃されているということが当たり前の、普通によくある風景になってきた。この取材を始める頃ですね」

 「これはちょっとひどい時代に入ってきたなと思っていて、それはわたしにとって怒りに近いものでした。こんなにことばがないがしろにされている、人の語りが捻じ曲げられて真っすぐ伝わらないということは、それこそ戦時下でことばが自由に伝えられなかったのと同じくらいひどいことが始まったと思いました」

 「そこで、一人でも多くの人に実際に会って、心ゆくまで語っていただいて、『器』としての自分を差し出すことで、一つのノンフィクションとして形になるのではないか。そういう思いでした。とにかく人のことばに直に触れたかった。実際に人に会って、その人の思いを、たくさんの人生を、わたしの器に盛って、それをそのまま差し出す仕事をしたかった」

【660円(本体600円+税)】
【オリエンス宗教研究所】

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