【書評】 『声に出して読みたい旧約聖書〈文語訳〉』 齋藤 孝

格調高い「文語」で改めて触れる崇高で深遠な信仰の世界

 

 昨年8月に出版されて好評だった『声に出して読みたい新約聖書〈文語訳〉』の旧約聖書版。

 旧約聖書から79の場面を選んで文語体で紹介し、その場面の意味も解説。それぞれの場面の絵画も併せて掲載しているため、初めて旧約の物語に触れる人でも未知の世界を想像しやすい。七つの場面を紹介するごとに詳しい解説が入るので、楽しく読み進めるうちに旧約の世界のあらましを知ることができる。

 格調高い言葉で改めて聖書を読むと崇高で深遠な信仰の世界が伝わってくる。「アダムとエバが裸であることを恥ずかしく思うことは自意識の芽生えだが、LINEで『いいね!』がないと落ち着かないのは彼らが禁断の木の実を食べて自意識が生まれたことが原因」など、著者ならではのユニークな視点も読みどころの一つ。

 場面ごとに掲載されている絵画も、ラファエロ、ルーベンス、ミケランジェロ、レンブラント、カラヴァッジョなどさまざまな画家の作品を引用。

 信じてはいないが聖書の世界に興味はあるという人への贈り物としても最適な1冊。

【本体1,500円+税】
【草思社】978-4-79422-213-8

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