【雑誌紹介】 『福音と社会』 第292号

射殺犯?が吉祥寺教会へ

 『連載ノンフィクション=封印された殉教――あなたは戸田帯刀神父を知っていますか』が37回目を迎え、射殺犯とおぼしき人物が吉祥寺教会に現れたが、カトリック教会の隠蔽体質がそこでも発揮されたのか、そのまま姿を消した前後の事情に触れている。筆者のノンフィクション作家、元毎日新聞記者の佐々木宏人は指摘する。

 《日本のキリスト教界には、戦争協力への反省を踏まえた戦後の宣教体制を作りえなかった「戦後責任」もあったのではないかと思う。その一つの象徴が戸田氏射殺事件に対するカトリックの態度ではなかったのではないかとも考える》と。

 《土井大司教もこの一月前に「臨時局長会議」を開催、冒頭のあいさつで戦時中の日本のカトリックのありようについて「外からの甚だしい圧迫を免れてきた、教会の評価を高めたことは喜ばしい」とまったく戦争責任を感じさせない発言をしている》と言う。

 《終戦と同時に連合軍は「日本軍国主義者」の一掃を目指して、政財界、軍部などの戦前の権力者約20万人が公職追放を実施した。しかしカトリック、プロテスタントともにキリスト教会幹部は、連合国の日本のキリスト教化をバックアップする姿勢を打ち出す中で、公職追放を受けず戦時中の“大東亜戦争”協力体制がそのまま残された。この中でカトリック、プロテスタント両派ともむしろ自分たちは軍国主義の被害者、治安維持法などによる宗教弾圧の圧政の下にあったとして位置付けていく》と。

【 本体463円+税 】
【カトリック社会問題研究所】

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