世界改革派教会共同体(WCRC、本部=ジュネーブ)は8月28日、英文公式サイトで日本の福島第一原発に言及し、「WCRCは放射性をもつ水の放出に警告を発する」という見出しの英文記事を掲載した。
WCRCは「2011年の地震とそれに続く津波でこの原発が崩壊し、その冷却システムが破壊されて原子炉が過熱し、同施設内の水が放射性物質で汚染された」と説明。「この水は、放射性元素であるトリチウムで汚染されており、海洋へと放出されている」と付け加えた。
「このトリチウムはその自ら取り除く技術的手段がないため、そうすることができない。代わりに、この放射性をもつ水は薄められてゆっくりと海洋へと放出されており、海洋の生命や、さらに言えば、地球上の生命に影響を及ぼしている」
「海洋へ放出されているトリチウムのレベルが受容できる基準を下回っていると主張する人たちがいる一方で、海洋への影響を完全に予知することはできないというのが事実である。環境保護主義者たちは放射性をもつ水がそれを摂取する植物や動物に直接影響を及ぼすことを示してきた。さらに悪いことに、もしこれが起きれば、それを取り消すことができないのである」
さらにWCRCは、「放射性の水の海洋放出は、海洋自体を含めて、太平洋においてすでに脆弱なものたちを脅かす。すでにCO2排出量の増大やその他の有害な要素が放出されていることによって影響を受けていることから、海洋の健全さは地球の健全さにとって極めて重要である。さらに、漁民や太平洋の島民を含め、海洋に依存している共同体は、この放出がもたらしうる影響を恐れている」と述べた。
「WCRCは日本政府に対し放射性をもつ水の放出を止めるよう、そして地球社会に対しエコロジカルな安寧に対する責務を負い続けるよう呼びかける」と同団体は結んだ。
ただ、日本に二つあるWCRCの加盟教会(日本キリスト教会、在日大韓基督教会)は、この問題に関して、声明文などでそれぞれ独自の立場を公式サイトで表明してはいない。
それでも、在日大韓基督教会も加盟している日本キリスト教協議会(NCC)は8月25日付で、「東京電力福島原発汚染水の海洋放出は取り返しのつかない過ちです!」と題する抗議の声明文を発表した。
(エキュメニカル・ニュース・ジャパン)