【令和8年熊本地震】 支援は生活再建へ 外国人・高齢者、子どもの居場所にも 能登から九キ災に人員 2026年8月11日

 7月28日に発生した熊本地震から2週間。キリスト教関係団体による支援は、水や食料などの緊急物資の提供に加え、子どもの居場所づくり、外国人や独居高齢者への支援、ボランティア派遣など、被災者一人ひとりの生活再建を見据えた取り組みへと広がっている。一方、八代市ではなお多くの家庭で断水が続き、教会を通じた物資配布も継続。能登半島地震の被災地から熊本へ支援スタッフを送る動きも始まった。

 カトリック福岡教区は10日、今後の熊本地震支援について、当面3カ月を一つの区切りとして取り組み、その後、地域のニーズや活動状況を踏まえて継続や内容を検討する方針を明らかにした。発災後、八代教会をはじめ被災地域を複数回訪問して聞き取りを重ねた結果、フィリピンやベトナム出身の技能実習生などの中に、地震の影響で仕事を失い生活に困窮する外国人がいることや、独居高齢者から生活上の困難や将来への不安が寄せられていることが分かったという。

 今後は①八代教会と地域との関わり、②「ボラパック」による地域支援、③教区本部への事務局(支援室)設置――を3本柱とする。八代教会を通じ、被災した外国人や失職した外国人、独居高齢者、生活困窮者らの困りごとを聞き、必要な支援につなげる。「ボラパック」では、社会福祉協議会などが行う活動への参加を目的に、熊本発の車両でボランティアを被災地域へ送り出す取り組みを定期的に企画する。開始時期や詳細は調整中。支援室は情報収集・発信、支援者との調整、募金の管理・活用などを担う。

 子どもへの支援も続いている。国際NGOワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)は10日、上益城郡美里町で地域住民が自主的に始めた「子どもの居場所」の運営を支援していると報告した。6日には子ども16人、ボランティア8人、WVJスタッフ3人が参加。被災した学校の再開を心配する子どもの声も聞かれたという。

 同町では断水で休止していた学童クラブが3日に再開したものの、従来の昼食提供ができなくなった。被災家庭では台所が使えなかったり、片付けに追われて弁当を用意できなかったりする事情もあり、WVJは4日以降、パンやおにぎり、子ども用飲料を届けている。子どもの居場所を、家庭の困りごとや変化を把握する窓口としても位置付ける。

 支援物資を被災地内でつなぐ動きもある。WVJが上天草市の児童養護施設に届けた飲料水の一部は、スタッフが7月30日に益城町の木山キリスト教会を訪ねた際、より被害の大きい地域で役立ててほしいとして同教会から託されたものだった。

 日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団の報告からは、地域ごとの復旧状況の差も浮かぶ。8日、川尻キリスト教会(熊本市南区)では、近隣の子ども会に教会敷地を提供し、予定していた水遊びの行事を実施した。熊本市内ではライフラインや物資供給が落ち着きを取り戻しつつあるとしている。一方、八代市などでは食器を洗う水にも困る状況があり、広島の超教派キリスト教団体から紙皿、紙コップ、ラップ、割り箸などが送られた。

 9日の礼拝では、川尻キリスト教会とシャロンキリスト教会(八代市)で水やレトルト食品、紙食器などを配布。宇城市在住の川尻教会員では断水が解消した世帯もあった一方、八代ではなお多くの家庭で断水が続いており、支援活動の長期化が見込まれている。支援を続けてきた上田努牧師は、教会員から休息を勧められ、10日は活動報告を休むことにしたと記した。被災者だけでなく、支援を担う側の疲労への配慮も課題となりつつある。

 被災地同士の連携も新たな段階に入った。能登地震キリスト災害支援会(能登ヘルプ)は9日、九州キリスト災害支援センター(九キ災)からの要請を受け、支援チームリーダー1人と事務スタッフ1人を派遣し、必要な車両や資機材も提供すると発表した。現地での具体的な活動内容は調整中。能登ヘルプは、能登で支援を続ける上で九キ災から大きな協力を受けてきたとしており、今度は熊本で再び活動する九キ災を支える側に回る。

 熊本YMCAは10日、救援・復興支援募金について「Yahoo!ネット募金」からも寄付できるようになったと発表した。寄せられた募金は被災地域での支援に加え、熊本YMCA自身の活動継続や復旧にも活用する=写真。 地震の影響で臨時休館していたみなみグローバルコミュニティセンター(熊本市南区)は、11~16日の夏季休館後、17日から全館を通常通り再開する予定。支援を担う団体自身の施設復旧も進み始めている。

 日本ハリストス正教会(日本正教会)では、九州全域を担当するグレゴリー神父が10日、前日の9日に熊本伝道所を巡回し、地震後初めて会堂を現地確認したと報告した。祭壇上の燭台が転倒して一部破損していたものの、ほかの什器や書籍に目立った被害はなかった。

 熊本市在住の日本人信徒3人はいずれも80~90代で要介護のため、この日の聖体礼儀はグレゴリー神父夫妻だけで執り行ったという。地震による建物被害だけでなく、高齢化する小規模教会では、災害時に信徒が礼拝へ集うこと自体が難しくなる現実も表れている。

(8月11日正午現在)

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