「原っぱと隅っこ」を校舎に 立教小学校が64年ぶり新校舎をお披露目 2026年9月26日

 立教小学校(田代正行校長)は9月26日、東京都豊島区西池袋の新校舎を報道関係者に公開した。1948年の開校以来、キリスト教に基づく愛の教育を掲げてきた同校にとって、64年ぶりの新校舎となる。立教学院(福田裕昭理事長)の創立150周年記念事業の一環として建設され、9月10日から児童が利用している。

 学校が掲げる新教育のコンセプトは「自律・協奏する力と心を育む真正(しんせい)な学び」。児童が自ら問いを見つけ、仲間と協力して探究するプロジェクト型学習を中心に、教室の外にも学びが広がる校舎を目指した。学校全体を学びの場であり、遊び場でもある空間として構想したという。

 その中心にあるのが、本や絵本に囲まれたメディアセンターだ。3層にわたる空間を、階の高さをずらした七つのフロアでつなぐ。移動のためのスロープにも書架を設け、「だんだん広場」や読み聞かせスペースなど、教室へ向かう途中にも本に触れたり、仲間と過ごしたりできる場所を用意した。屋外には人工芝のグラウンド、起伏のある周回走路、低学年向けの遊び場を整備。雨水の流れを景観に生かした「レインガーデン」も設けた。

各階が吹き抜けでつながった開放的なメディアセンター

 同日の学校説明会で、設計段階で教職員から「原っぱと隅っこが必要」「雨の日の遊び場は必須」など、さまざまな希望が出されたと明かしたのは田代校長。2階から屋外へ延びるローラー滑り台や、走路の下に設置された雲梯など、子どもが無意識に遊ぶうちに、体を鍛える経験が重ねられるよう工夫したという。田代校長は、知識を早く大量に覚えること以上に、実物に触れ、体験を通じて意味を理解することを重視すると語った。

 教育の土台として示したのは、児童一人ひとりを「神に愛された、かけがえのない存在」として尊重する立教学院の理念。聖書の授業を通じて住まいや食事、学校に通えることが誰にとっても当たり前ではないと気付いたという児童の日記を紹介。恵まれた環境にいるからこそ、苦しみや痛みを抱える人への想像力と共感を育てたいと述べた上で、保護者には成績や成果を条件にせず、「あなたがこの世にいてくれるだけで私たちは嬉しい」と子どもに伝えてほしいと呼びかけた。

「廊下」との隔たりがないオープンな教室

 学院が公表した計画上の総事業費は約97億円。旧校舎や体育館、室内プールは取り壊した一方、チャペルと講堂のある東棟は残して改修。7月31日の新校舎竣工式では、立教学院チャプレン団の司式で礼拝と祈りがささげられた。東棟では長期利用を見据えた耐震補強などの工事が続いており、児童は東棟や正門を使えない状態で2学期を迎えた。学院は、チャペルを含む事業全体の完成を2027年6月に予定している。

 同日、立教大学池袋キャンパスでは、立教関係学校(立教女学院、香蘭女学校、立教英国学院を含む)の合同学校説明会も開かれた。立教小学校から立教池袋中学校・高等学校を経て立教大学経営学部に進んだ学生は、小学校時代の学びについて「教室の中だけで学習が完結しない」と振り返った。京都や奈良への校外学習では、事前に調べ、現地で新たな疑問を見つけ、帰ってから成果をまとめたという。情報端末も、調べたことを整理し、自分の考えを伝える道具として駆使してきた。

 立教女学院中学校・高等学校出身の学生は、立教小学校の児童から大学生までが参加する清里での環境ボランティアキャンプを紹介。礼拝や祈りを共にしながら環境保全に取り組み、年齢の異なる相手に合わせて伝えることの大切さを学んだという。立教英国学院出身の学生も、英国での寮生活やホームステイを経て、当初は不安だった文化や習慣の違いを「面白い」と感じるようになったと語った。新校舎のお披露目とあわせての開催となった説明会では、各校で始まった学びが次の学校や社会でどう生きるかが、学生自身の言葉で示された。

2、3階の間に設置されたハンモック。児童たちが思い思いに過ごせる空間

北側迎えの庭(イメージ)

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