宗教研究の「知」を社会へ 若手研究者3人が「宗教リテラシー・マップ」構築へ 9月からクラファン 2026年8月25日

 宗教をめぐる情報がSNSなどで断片的に拡散し、偏見や過度な単純化につながることも少なくない中、宗教研究の専門知を一般の人が利用しやすい形で届ける「宗教リテラシー・マップ」の構築を目指し、宗教学を専門とする研究者3人が9月1日から、学術系クラウドファンディングサイト「academist(アカデミスト)」で資金を募る(https://academist-cf.com/projects/425?lang=ja)。研究者が一方的に知識を発信するのではなく、市民から寄せられた「知りたい問い」をコンテンツに反映させる参加型の試みだ。

 取り組むのは、藤井修平(國學院大學助教・特別専任)、牧田小有玲(慶應義塾大学大学院博士課程)、道蔦汐里(東京科学大学大学院博士後期課程)の3氏。藤井氏は宗教認知科学や科学と宗教、牧田氏は神社神道とジェンダー、道蔦氏は天理教を中心とした新宗教や信仰継承などを研究している。3人はいずれも公益財団法人国際宗教研究所の宗教情報リサーチセンター(RIRC)で、国内外の宗教関連ニュースの収集、整理、発信に携わり、宗教文化教育推進センター(CERC)の活動にも関わってきた。

 構想する「宗教リテラシー・マップ」は、特定の宗教についての知識を蓄積するだけのデータベースではない。宗教と政治、教育、ジェンダー、芸術、ウェルビーイングなどの関係を読み解くため、研究者へのインタビュー、論文や書籍の解説、論点を整理したマップ、初学者向けの「読書ロードマップ」などを文章、動画、音声、図解で公開する。一般市民だけでなく、教育関係者やメディア関係者らの利用も想定しているという。

 支援者から宗教について知りたい疑問を募り、研究者へのインタビューや論点マップのテーマ選定に反映。制作過程も共有しながら、研究者と市民がともに「公共的な知識地図」を作ることを目指す。クラウドファンディングのリターンにも、扱ってほしい研究テーマへの投票や「宗教リテラシー編集会議」への参加、研究者とのオンラインイベントなどが用意されている。

 今回の企画について藤井氏は、「ネット上やSNSでは宗教に対する偏見や誤解が多数見られる中、それを正せるはずの報道機関や研究者の知見はなかなか一般社会に伝わっていない」と指摘。「専門知を知りたい人のコミュニティを作ることが重要な解決策になる」と話している。

 目標金額は100万円。募集期間は9月1日午前10時から10月29日午後5時までで、目標額に達した場合のみ決済される。資金はウェブ上の情報発信プラットフォームの構築・維持、研究者へのインタビュー謝金、オンラインイベントの運営などに充てる。9月からインタビューとウェブサイト構築を始め、11月に論点マップや読書マップを作成、12月にプラットフォームの暫定版を公開する計画だ。

宣教・教会・神学一覧ページへ

宣教・教会・神学の最新記事一覧

  • 聖コレクション リアル神ゲーあります。「聖書で、遊ぼう。」聖書コレクション
  • 求人/募集/招聘