【令和8年熊本地震】 支援は長期避難と生活再建へ  教会では住宅修繕、礼拝再開も 2026年8月25日

 7月28日に発生した熊本地震から間もなく1カ月。キリスト教関係団体による支援は、発災直後の水や食料の提供から、長期化する避難生活への対応、被災住宅の修繕、被災者一人ひとりの生活再建を支える段階へ移っている。熊本YMCAは八代市に続き御船町でも避難所運営を受託。教会では断水世帯への入浴支援や住宅修繕が進む一方、必要な支援と被災者をどう結び付けるかが新たな課題として浮かぶ。

 熊本YMCAは8月20日、御船町からの委託を受け、御船町カルチャーセンターに開設された避難所の運営を始めた。20日時点で15人が避難。受付や入退館・人数の確認、館内巡回・見守り、支援物資の整理、情報案内、困りごとの一次対応などを町と連携して担う。すでに八代市から八代トヨオカ地建アリーナと鏡コミュニティセンターの運営を受託しており、自治体から受託する避難所は計3カ所となった。

 全国のYMCAからも人員が入り、東京YMCAは24日までに延べ7人を現地へ派遣した。避難所では段ボールベッドを設置しているものの、仕切りが低く十分なプライバシーを確保できない場合もある。「自宅に帰りたい」と望みながら、高齢の一人暮らしで被災した家を自力で片付けられず、避難所にとどまる人もいるという。避難者自身も物資や食事の配布に参加しており、行政、医療・福祉団体、自治体職員、YMCAスタッフらが連携して運営する。東京YMCAは9月以降も派遣を続ける方針。

 同YMCAが8月4~18日に東京都内5カ所で実施した街頭募金には延べ123人が参加し、計43万6305円が寄せられた。

 被災住宅への支援も、調査や片付けから実際の修繕へ進んでいる。日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団(AG)によると、広島のキリスト教系災害支援団体から大工チームが入り、21日に川尻キリスト教会の信徒宅2軒を修繕。22日には八代市のシャロンキリスト教会の信徒宅2軒を補修した。24、25日も信徒宅や牧師館の応急処置を予定している。

 一方、修繕を担える人員がいても、支援を必要とする住宅とのマッチングには難しさがある。AGの22日の活動報告では、大工チームに依頼できる住宅が十分集まらず、関係者が知人らに声を掛けて対象世帯を探しているという。避難所外にいる被災者のニーズをどう把握するかが課題となっている。

 シャロンキリスト教会では、断水が長引く家庭に教会のシャワーを開放し、おにぎりやおかず、飲料水も提供した。川尻キリスト教会では20日、シャロン教会では21日にサマースクールを実施し、被災した子どもたちの日常や居場所を支える活動も続けている。

 九州キリスト災害支援センター(九キ災)では19日から、能登半島地震の支援に携わる「能登ヘルプ」の3人が臨時スタッフとして加わった。在宅避難者への支援を展開するYNFからの要請を受け、提供を受けた水100ケースを届け、宇城市の保育園には子ども向けの菓子も提供した。氷川町などでは住宅の片付けも継続している。九キ災は、在宅避難者の声が十分に聞こえてこないとして、個別のニーズを拾う必要性を指摘している。

 カトリック教会でも復旧が進む。地震後、聖堂を使用できなくなったカトリック八代教会では16日、シャルトル聖パウロ修道女会八代修道院の聖堂で発災後初めて主日のミサを再開。ヨゼフ・アベイヤ福岡教区司教が司式し、外国出身の信徒11人を含む約50人が参列した。翌17日には熊本地区の信徒ら24人が信徒会館や司祭館の清掃、災害ごみの搬出を行った。

 八代教会の聖堂は現在も使用できず、福岡教区は20日、当面、主日ミサを八代修道院聖堂で続けると発表。土曜夜と毎月第4日曜の英語ミサは休止する。主日ミサ終了後には八代教会信徒会館で支援物資を配布している。熊本市中央区のカトリック手取教会でも、専門家による安全確認が取れるまで聖堂の使用を見合わせ、信徒会館ホールでミサを続けている。

 カリタスジャパンも福岡教区との連携を続け、寄せられた募金をもとに支援先の調整や物資支援を進めている。最新の活動では、福岡教区のフォン神学生が寄付された米を精米し、被災地へ届ける作業に参加した。八代市では水道が少しずつ復旧している一方、片付けによる疲労や余震への緊張が続いているという。カリタスジャパンは、被災した小教区や地域に余計な負担を掛けないことも重視し、現地への直接の支援申し出や物資の持ち込みは当面控え、福岡教区の案内を確認するよう呼び掛けている。

 キリスト教学校では、九州ルーテル学院が21日、地震対応の第3報を公表した。大学では被災状況をアンケートで把握し、被災学生への経済的、心理的、就職活動上の支援に加え、授業や定期試験について個別に対応。中学・高校でも被災生徒への通学・生活支援を行っている。教育活動や部活動は再開し、礼拝堂も安全確認を終えて通常利用に戻った。

 ライフラインや店舗の営業が徐々に戻る一方、長期避難を余儀なくされる高齢者、断水が残る世帯、自宅の片付けや修繕を必要とする在宅避難者など、復旧の進み方には大きな差がある。発災から1カ月を前に、キリスト教関係の支援も、一律に大量の物資を届ける緊急対応から、一人ひとりの事情を把握し、必要な支援につなぐ取り組みへと重点を移しつつある。

(8月25日午前9時23分現在)

写真=東京YMCA Facebookページより

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