「待つ」から「出ていく」伝道へ 日本キリスト教会北海道中会が伝道協議会 2026年8月27日

日本キリスト教会北海道中会主催の2026年度伝道協議会が8月24、25の両日、札幌琴似教会(札幌市西区)で開かれた。教会の高齢化や無牧化が進む中、聖書と教理に立った伝道のあり方と、時代や世代の変化に応じた発信の方法について学び、各教会・伝道所の課題を共有した。
初日は開会礼拝に続き、田中康尋氏(札幌北一条教会牧師)=写真=が「聖書と教理から見た宣教伝道」と題して基礎講座を担当した。田中氏は、「宣教」の語源となったラテン語の「missio(派遣)」と、「伝道」につながるギリシア語の「良い知らせを告げる」という言葉を紹介。日本語では必ずしも厳密に使い分けられていないとした上で、「越境して送り出されること」と「福音を語ること」という二つの側面から宣教伝道を捉え直した。
さらに使徒言行録に登場するフィリポとバルナバを例に、すでに聖書との接点がある人の求めに応じる「フィリポ型」と、聖書を知らない人々のもとへ積極的に出向く「バルナバ型」という二つの伝道類型を提示。「来る者を待つ」だけでなく、教会との接点を持たない「潜在信徒」にどう働きかけるかを問いかけた。ニカイア・コンスタンティノポリス信条や宗教改革期の信仰告白にも触れ、「福音の普遍性を保ちつつ、時代と伝道対象に合った語りかけ」が必要だとまとめた。
続いて松谷信司氏(本紙編集長)が「時代と世代から見た宣教と伝道」と題して講演。全国の教会を取材してきた経験から、高齢化や牧師不足、兼牧の増加など、日本のプロテスタント教会が直面する現状を紹介した上で、複数の教会を牧師や信徒が広域で支え合う仕組みや、オンライン礼拝・祈祷会の活用などを例示し、個々の教会だけで完結する発想から「広域で共に生きる共同体」への転換を提案した。
松谷氏は「福音の内実は変わらないが、伝え方は伝道対象に合わせて変えるべき」と強調。教会の掲示板やホームページについても、既存の信徒ではなく初めて訪れる人の視点から見直す必要があるとし、礼拝の終了時間や問い合わせ先を明記すること、専門用語を避けること、会堂内部や牧師、信徒の姿が分かる写真や動画を掲載することなど、具体的な改善策を挙げた。
また、教会を地域に「開いた」各地の事例を紹介。教会が独裁的、権威的、閉鎖的、排他的になっていないかを点検し、誰もが意見を言え、離れる自由も保障される「健全な共同体」であることも、伝道以前の重要な条件として挙げた。
質疑では、教会の掲示板に使う専門用語や電話応対、信仰を言葉だけでなく日常の生き方で示すこと、若者を教会に迎える目的などをめぐって意見が交わされた。松谷氏は、若者を「教会を維持するための労働力」として求めれば、その意図は見透かされるとし、組織維持を目的にするのではなく、教会の外にいる人々の必要に目を向けるよう促した。
25日は朝の祈りに続き、10の伝道所による報告を二部に分けて行い、それぞれ質疑の時間を設けるプログラムが組まれた。















