9・11から25年 全壊・再建の聖ニコラス聖堂で宗教間祈り 2026年9月10日

2001年9月11日の米同時多発テロで、世界貿易センター(WTC)南棟の崩壊に巻き込まれて全壊した聖ニコラス・ギリシャ正教会・国民聖堂(ニューヨーク)が9月11日午後3時(現地時間)、事件から25年を記念する追悼礼拝を行う。アメリカ大主教エルピドフォロスが司式する。同聖堂は9・11で破壊された唯一の礼拝所で、現在はWTC跡地のグラウンド・ゼロを望む場所に再建されている。
同聖堂の公式サイトによると、毎年行われる「9・11宗教間祈りの集い」には、各宗教の指導者をはじめ、消防・警察など当時の緊急対応に携わった人々、犠牲者の遺族、生存者、公職者、地域住民らが参加。犠牲者を追悼するとともに、救援に当たった人々の勇気と献身に敬意を表し、「すべての人々の平和、癒やし、団結」のために祈る。
正教会では永眠者のための追悼奉神礼が行われるが、同聖堂での9・11追悼は宗教間の祈りとして位置づけられてきた。同聖堂はその意義について、多様な宗教的伝統の代表者が「思いやりと連帯の精神」のもとに集まり、悲劇を前にしても失われない「信仰、希望、人間の尊厳」を確認するものだと説明。「すべての人のための祈りの家」としての国民聖堂の使命を体現するものとしている。
聖ニコラス教会は1916年、ローワー・マンハッタンに設立された。9・11当日はWTC南棟の崩壊で完全に破壊されたが、教会内に人はおらず、人的被害はなかった。その後、元の場所からほど近いリバティー通り130番地で再建が進められ、2022年7月4日に成聖された。現在はギリシャ正教の教会であると同時に、宗派や宗教を問わず訪れることのできる国民聖堂として、追悼や宗教間交流の場となっている。
今年の礼拝告知には、9・11の「25」と並べて「America 250 1776―2026」の文字も掲げられ、米建国250年の節目も強調された。教会側は25年を経ても「深い悲しみ、並外れた勇気、そして私たちを形づくり続ける回復力」の記憶は残るとし、平和と和解、希望に導かれる未来への決意を新たにするとしている。
米国内では他教派でも25周年の追悼が相次ぐ。ニューヨーク大教区の聖公会諸教会では9月10、11日に祈祷や追悼礼拝が予定され、ワシントン大聖堂でも13日に追悼の聖餐式を行う。カトリックのニューヨーク大司教区は10日、聖パトリック大聖堂で記念ミサを開催。ニュージャージー州モリスタウンでは聖公会、合同メソジスト教会、長老教会が合同で「希望と追悼の礼拝」を行う。ルーテル系団体も全国で救急・警察関係者らを支援する「25の奉仕」を展開するなど、宗派を超えて9・11の記憶と平和への祈りを次世代につなぐ動きが広がっている。
(エキュメニカル・ニュース・ジャパン)















