カトリック信者多数のフローレス島でM7.7地震 死者53人 カリタスが緊急支援 2026年8月16日

インドネシア東部のフローレス島周辺で8月15日、マグニチュード7.7の地震が発生し、16日までに少なくとも53人が死亡、135人が負傷した。数千人が避難を余儀なくされ、家屋や学校、医療施設、教会など多数の建物が被害を受けている。
インドネシア気象気候地球物理庁(BMKG)によると、震源は東ヌサトゥンガラ州ナゲケオ県ムバイの北東約30キロ、深さ15キロ。当初、周辺地域に津波警報が出され、エンデ県マウロレでは最大0.94メートルの海面変動が観測された。警報はその後解除された。
カトリック系「バチカン・ニュース」によると、地震が発生した15日はカトリック教会の「聖母被昇天」の祭日だった。ラブアン・バジョ教区は、安全確保と被災者支援を優先するため、同日予定されていた「ゴロ・コエ・マリア・アッスンプタ・ヌサンタラ祭」の閉会ミサやコンサート、文化行事などを中止した。マクシムス・レグス司教は、祭典を続けるのではなく、困難の中にある人々に寄り添うことを選んだとして、連帯と支援を呼びかけた。
地震を受け、ローマ・カトリック教会の国際援助組織カリタスのインドネシア組織「カリタス・インドネシア」は16日、被災教区と連携した緊急対応を開始した。被害の規模を「インパクト・スケール・レベル3(オレンジ)」に指定し、エンデ大司教区、マウメレ、ルテン、ラブアン・バジョの4教区で人道支援拠点を開設。訓練を受けた「コア・レスポンス・チーム」(CRT)を被災地に派遣し、「一つの教会、一つの対応(One Church, One Response)」を掲げて教区、教区カリタス、各小教区、修道者、ボランティアによる支援態勢を整えている。
現地カトリックメディア「ヒドゥップ・カトリック」によると、暫定集計でエンデ大司教区内では少なくとも20の教会建物が被害を受け、ルテン教区でも大聖堂を含む50を超える教会に被害が確認された。ルテンでは余震による建物倒壊を警戒し、病院の患者を屋外の緊急テントに避難させたほか、司教が教会堂内での礼拝を一時中止するよう呼びかけている。
カリタスが現時点で挙げる緊急ニーズは、食料、飲料水、避難用テント、医薬品や医療サービス、寝具、衛生用品など。道路の寸断や停電、通信障害が続く地域もあり、被害状況の把握と物資の輸送が課題となっている。
フローレス島は、イスラム教徒が多数を占めるインドネシアにあってカトリック信者の割合が特に高い地域として知られる。米「ナショナル・カトリック・レジスター」は2025年11月、島の人口約200万人の8割以上がカトリック信者と報道。インドネシアの国営アンタラ通信も2024年、島内に2710のカトリック教会があると伝えていた。
(エキュメニカル・ニュース・ジャパン)
カリタス・ルテン教区がルテンの病院前に設置した緊急支援拠点(写真=Caritas Indonesia)














