清泉女子大学 本館が東京都指定有形文化財に ジョサイア・コンドル設計 2012年4月21日

 東京都品川区にある清泉女子大学(門野泉学長)の象徴的建物である本館(旧島津公爵邸)が3月21日、東京都指定有形文化財に指定された。旧鹿児島藩主の島津家の邸宅として、英国人建築家のジョサイア・コンドル(Josiah Conder 1852‐1920)が設計し、1917年に完成したイタリア・ルネサンス様式の洋館。1962年から同大本館となり、聖堂や教室、会議室として今も現役で使用されている。

 指定名称は、「旧島津公爵家袖ヶ崎本邸洋館(清泉女子大学本館)」。同館は、日本近代建築の発展に重要な足跡を残したジョサイア・コンドルの設計による作品で、古典様式を基調とした優れた意匠は、学術、芸術上の価値が高いという。

 さらに旧事務棟(現3号館)についても、設計施工は同時期と推察され、コンドルの邸宅以外の建物として貴重であることから附(つけたり)とされている。

 外観は、当時流行の白タイルによる外装や、芝庭に面した建物南面に円弧状に張り出し、列柱廊を持つバルコニーが特徴。内部にはステンドグラスや、暖炉や天井の繊細な彫刻などが良好に保存されている。

 島津家は、昭和初期の金融恐慌による財政的打撃や第二次世界大戦の影響に伴い大邸宅の維持が困難となり、日本銀行に売却。戦災を免れた邸宅は、戦後GHQの管理下に入り、駐留軍の将校宿舎として1954年まで使用された。そして、接収解除後の1961年7月、同大は日本銀行から土地と建物を購入し、翌年4月に神奈川県横須賀から大学を移転し、今日に至る。

 ジョサイア・コンドル=1877(明治10)年、お雇い外国人として来日。鹿鳴館、岩崎久彌邸、旧海軍省など、官公署の建物や華族、豪商の邸宅の設計にあたった。工部大学校(現東京大工学部建築学科)の教授として辰野金吾や、創生期の日本人建築家を育成し、明治以後の日本建築界の基礎を築いた。

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