【伝道宣隊キョウカイジャー+α】 妊娠発覚?にまつわる配慮 キョウカイゴールド(2代目) 2019年2月1日

 人生で初めての経験をしている。新しい命が私の体の中に宿ったのだ。体の中に、命がもう一つあるこの不思議で尊い経験を通して、今感じていることを綴りたい。

 結婚してから妊娠するまでのしばらくの期間、毎日基礎体温をつけて過ごしていた。そのため発覚するまでに時間もかからず、すぐに産婦人科で検査をすることができた。妊娠が判明してから体調も落ち着いていたため、普段と何ら変わりなく生活することができ、成績付けで一番忙しい時期にあった職場でも、大きな迷惑をかけずに済んだ。

 妊娠2カ月になり数日経ったころに、驚いたことがあった。普段は担当する学年が違い、一緒に仕事をする時間がほとんどない同年代の先生に、「もしかして妊娠?」と知られてしまったのだ。妊娠が判明して数日で、家族以外には誰にも伝えておらず、「え~、なんでわかったの?」と驚いた。すると、「礼拝での話し方を見てなんとなくそう思った」とのこと。

 そのころの私は、まだ自分自身でも妊娠したこと自体、半信半疑の状態だった。つわりも、もちろん胎動もない。本当にお腹の中に赤ちゃんはいるのかな? と思うことが多かった。お腹が痛いこともあり、それだけで不安になり、赤ちゃんに異常がないかな? 本当に育っているのかな? と心配が尽きないのである。もちろん検査をしてエコーで赤ちゃんの様子を見せてもらうと、「赤ちゃんがいるんだ」ということは実感できたが、そんな状況の中で他人から妊娠を指摘されるとは驚きだった。

 その後、職場の上司や近しい友人たちにだけ妊娠のことを伝えるといろいろな反応があって、それもまた興味深かった。実感として、「おめでとう!」というよりも、「体に気をつけてね」という反応の人が多かった。また中には、「生まれるまでいろいろあると思うから、まだおめでとうは言わないね。体に気をつけて」という人もいた。妊娠の報告を受けた側の人たちも、かなり気を遣って言葉を返し、こちらに配慮してくれているように感じた。

 一方教会では親しくしている方を中心に、安定期に入ったら報告しようと思っていた。しかし、3カ月になったばかりのころに「事件」は起きた。教会のお姉さまたちと輪になって活動しているとき、その内の一人がみんなの前で「あれ? 妊娠?」と私に声をかけたのだ。いずれ伝えようと思っていたし、隠すことでもないし、でもまだ言いたくない……。しかもそこには学校の保護者もいたのだ。しかし、急なことで上手に返すことができず、予期せぬ報告となってしまった。さらに残念なことに、その日のうちにその場にいなかった教会の方へも話が広まってしまった。

 妊娠したことをすぐに見抜いた教会のお姉さまは、すごい! でも同時に、怖いなと思った。また、それを結構な人数の前で平気で言ってしまう感覚は危ない。同年代の先生のようにこっそり「もしかして?」と近づいてくる配慮がほしい。だから教会の人は、他人のことに土足で入ってくるような印象を抱かれてしまうのではないだろうか。そんな配慮のある教会のお姉さまに、私はなりたいものだ。

キョウカイゴールド(2代目)
 金刺羊子(かねさし・ようこ)キリスト教主義の小学校で〝こひつじ〟たちを放牧する癒し系ひつじかい教師。時には保護者のひつじかいにも変身。イエス様のファンクラブが、子どもたちから家庭へと少しずつ広がっていくことを目論んでいる。武器:喜怒哀楽に合わせてコロコロかわる表情/必殺技:褒めホメ攻撃/弱点:虫

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