NCC 即位の礼を前に「天皇代替わりに関する」宣言を発表 2019年10月22日

 日本キリスト教協議会(NCC、金性済総幹事)は10月9日、「天皇代替わりに関する日本キリスト教協議会2019年宣言」を発表した。宣言は天皇代替わりの諸儀式を「皇室神道に基づく宗教的儀式」と位置づけ、これらに公金を支出することは「皇室神道行事を日本社会において『習俗』として定着させ、既成事実化し、政教分離原則を空文化して、事実上の国教を定めるに等しい」「天皇を神格化し、私たちの信仰の自由を脅かすことになる」と非難。また「天皇の名による戦争と植民地政策に進んで協力し、講美歌や教会学校教案誌『教師の友』においても戦争協力を推進」したことの反省に立って、「イエスのみを主とする信仰に立ち続けるために、天皇神格化を推進する政府に対して、信教の自由や政教分離原則を厳格に遵守するよう訴え、預言者としての使命を果たします」と表明している。全文は以下の通り。


天皇代替わりに関する日本キリスト教協議会2019年宣言

 2019年は天皇代替わり儀式が国事行為として、「大嘗祭」については皇室の公的行事として行われる予定です。私たち日本キリスト教協議会(NCC)は、このような状況の中にあって信仰の立場を宣言します。

1.皇室神道に基づく宗教的儀式に国が関与することは、「国家神道」の復活を意味し、私たちの信仰と良心の自由を脅かします

 天皇代替わりの諸儀式は、記紀神話に基づく天照大神の神動に基づいた思想が色濃く反映されています。「大嘗祭」においては、政府自身も「宗教色が強い」と認めているほどです。このような宗教的儀式を国事行為又は公的行為として行い、莫大な公金を支出することは、皇室神道行事を日本社会において「習俗」として定着させ、既成事実化し、政教分離原則を空文化して、事実上の国教を定めるに等しいことです。皇室神道行事が「社会的儀礼」として合憲となれば、公務員はもとより、一般国民も参加が拒めなくなる危険があります。他宗教における礼拝行為に参加することに信仰の良心を痛めるキリスト者に対しても、皇室神道を信じない信仰の自由を認めず、「非国民」として排除することに繋がります。
 このような、天皇を神格化し、私たちの信仰の自由を脅かすことになる儀式の挙行に私たちは反対します。

2.私たちは天皇を神として参拝し、戦争協力した教会の責を告白します

 かつて日本の教会は、礼拝式の前に「国民儀礼」を行い、創造主なる神とともに天皇をも神として礼拝する罪を犯しました。また天皇の名による戦争と植民地政策に進んで協力し、講美歌や教会学校教案誌『教師の友』においても戦争協力を推進しました。更には、日本が占領統治したアジアの諸教会に対しても国民儀礼や神社参拝を「国民としての当然の儀礼」として推奨し、同じ主の民の信仰の良心を踏みにじりました。
 私たちは、1999年2月1日の「創立50周年NCC宣教宣言」の罪責告白を踏襲し、このような戦時下の教会の罪を悔い改め、その克服を全力で目指します。

3.イエスのみを主とする信仰の告白に、私たちは立ち続けます

 私たちは歴史において刻まれた過ちを繰り返さず、イエスのみを主とする信仰に立ち続けるために、天皇神格化を推進する政府に対して、信教の自由や政教分離原則を厳格に遵守するよう訴え、預言者としての使命を果たします。そして、いかなる状況になろうとも、私たちは三位一体の神のみを礼拝し、神以外のものに膝をかがめず、キリストのみを主とする信仰に立ち続けます。

2019年10月9日

日本キリスト教協議会

「国民主権」「政教分離」厳守を 代替わり前に諸教派・団体が会見で訴え 2019年4月30日

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