『聴くドラマ聖書』本格リリース 〝耳で聴いて親しみやすく〟 俳優陣が収録時の苦労語る 2019年12月1日

 『聖書 新改訳2017』(いのちのことば社)の全66巻にBGMや効果音などの演出も加え、壮大なドラマとして収録した無料の音声アプリ(オーディオ・ブック)『聴くドラマ聖書』(一般財団法人「日本G&M文化財団」制作)の本格リリースを発表する記者発表会が11月18日、都内で開かれた。聖書の登場人物を演じたつるの剛士さん(マタイ役)、大和田伸也さん(神役)、井上芳雄さん(イエス・キリスト役)、六平(むさか)直政さん(ヤコブ役)が登壇し、収録時の苦労などを披露した。

 同アプリは総勢1300を超える配役を第一線で活躍する俳優、声優ら150人が演じることで聖書の世界をドラマチックに再現。延べ約150時間に及ぶ音声の録音、編集に約1年2カ月の時間を費やした。すでに同様のアプリをアメリカ、韓国でリリースしてきたG&M文化財団が、日本でもより多くの人々に「聖書をドラマとして聴いて親しんでほしい」との願いから、無料でのリリースに踏み切った。

「収録前には心身をきよめる気持ちで」
それぞれ聖書への思い入れも明かす

 旧約・新約を通じて最も登場回数の多い「神」を演じた大和田さんの苦労は想像以上だった。膨大なセリフを来る日も来る日も録音し続け、1日5、6時間、スタジオにこもる日もあったという。「人ではない『神』をどう表現するか、威厳を保ちつつどこまで感情を出すべきか悩んだが、常に人間に対する愛を感じながら演じさせてもらった。途中で神であることを忘れると人間的な声に戻ってしまうので、崇高な気持ちを保つのがたいへんだったが、反面とても面白かった」

 また、父がクリスチャンだという意外な接点も明かし、「父のためにもこの仕事を引き受け、やり遂げることができて良かった。毎回、スタジオに入る前に心身をきよめるような気持ちで収録に臨み、聖書を読みながら人間というものはこうあるべきなんだと教えられた」と感慨深く語った。

 今年は映画『ライオン・キング』(日本語吹き替え版)でライオンの王を担当したほか、『仮面ライダーゼロワン』に本人役で出演するなど、個性的な役柄が多く、活動の幅も広がった大和田さん。その中心には、いつも帰るべき原点として「神」の役があったと振り返った。

 自身もプロテスタントのクリスチャンだが、「今までこれほど真剣に聖書を読んだことはなかった」と打ち明けたイエス役の井上さん。「初めはどう演ずればいいか分からなかったが、すべてを神様に委ねて、毎回祈ってから録音を始めた。改めて聖書に向き合うことができたことは、自分にとっても大きな実りだった」と話し、「アプリを通じて、一人でも多くの人が聖書の言葉に出会えれば」と期待を込めた。

 マタイ役のつるのさんは、幼いころにカトリックの洗礼を受け、「アントニオ」という洗礼名も持つクリスチャン。週末は必ず教会に通い、聖書も身近にあったが、井上さん同様、この役を演じるまで深く読み込んだことはなかったという。マタイの役作りにも苦労したようで、どうしても納得がいかず、翌日に再度録り直しをお願いしたという苦労話も披露した。「マタイがどんな気持ちで福音書を記録したのか考えながら読んだ。聖書には生きる上でのヒントや、いろいろな知恵が隠されている。どんなことがあっても神様はずべて赦してくださるということを改めて感じた」

 「どんな人に聴いてほしいか」との質問には、「聖書は活字なので絵が想像しにくいが、音声になると立体的に捉えることができる。聖書を読むのは難しいという子どもたちや、僕のように聖書を読んだことのないクリスチャンに気軽に聴いてほしい。きっと新しい発見ができるはず」と答えた。

 一方、ヤコブ役の六平さんは代々続いた秋田のお寺に「寺の息子」として生まれ、これまで一度も聖書を読んだことがなかったが、「今回初めて聖書は物語なんだと知り勉強になった」とコメント。「ヤコブは数奇な運命をたどりながらも、偉大な功績を残した人。息子のヨセフが死んだと思い大泣きをする場面では、自分なりの感情を込めて一生懸命に演じた」と述べ、「絆が大切」と言われる現代において、「絆について語られている聖書は、古いように見えて、一番新しい書物なのかもしれない」と感想を語った。

 発表会では、デモンストレーションとしてBGM付きの音声が流されたほか、登壇者による聖書の朗読も披露。最後は、大和田さんが創世記から「神」の声で「光あれ!」と宣言し、締めくくられた。

 『聴くドラマ聖書』には、この日登壇したゲストのほかに、加藤雅也さん(モーセ)、奥田瑛二さん(イザヤ)、鶴見辰吾さん(ダビデ)、藤田朋子さん(ルツ)、南沢奈央さん(マリア)、斉藤慶子さん(マグダラのマリア)、大浦龍宇一さん(ルカ)、川崎麻世さん(ヨハネ)らが出演。それぞれの登場人物を熱演している。

 アプリはApp StoreおよびGoogle Playから無料でダウンロードできる。現時点ではスマートフォン、ダブレットのみの対応となっており、パソコンで聴くことはできないが、同財団によれば同様の要望が複数あり、今後検討したいとしている。問い合わせは同財団(dramabible@graceandmercyjapan.org)まで。

記者発表会でアプリを披露する文俸柱(ムン・ボンジュ)代表理事

日本G&M文化財団 『聴くドラマ聖書』今秋無料でリリース 豪華俳優・声優陣が夢の共演 2019年8月11日

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