米黒人暴行死 トランプ大統領、「聖書」片手に批判集める 2020年6月2日

 米中西部ミネソタ州で黒人男性のジョージ・フロイドさん(46)が白人警官に首を押さえつけられて死亡した事件をめぐって米各地で抗議デモや暴動が続く中、政府は抗議集団に対して催涙弾を使用。その後、教会堂を背景にして、米大統領トランプ氏が聖書を片手に「アメリカは世界一偉大な国だ」と発言し、批判殺到と各社が報道している。

 撮影背景に使われた教会を管轄する聖公会マリアン・エドガー・バッド主教はCNNなどの電話取材を通じて「事前連絡もなく、祈ることもない大統領」と痛烈に批判し、憤激を隠さなかった。

 ニューヨーク州知事アンドリュー・クオモ氏の実弟・CNNニュースのクリス・クオモ氏は自身の番組で、「大統領は自分のことしか考えていない、この国の人々が星条旗に誓った自由と正義はどこにも見当たらない」「手にしたその聖なる書物を今すぐ開いて読めよ! その教会の中に入れよ! 聖書と教会は社会正義を共同体にもたらすものだ、そんなことも分からないのか!」と怒りを表明。SNS上では「クリスチャンは、この状況を見て何も思わないのか」と黒人女性らが投稿し、教会によって応答がさまざまであることが見受けられる。

 なおトランプ氏は、大統領就任以前より「長老派教会のクリスチャンである」「福音派のことも理解している」と何度も公言している(米紙各社の動画サイトなどで映像を確認できる)。また、過去には座右の銘としての聖書箇所を質問された際、旧約聖書・箴言の「妬みに屈しない」という章だと発言し、キリスト教メディアより「聖書を愛してはいるようだが、残念ながらその聖句が存在しない」と曖昧な引用を批判されたこともある。

 2016年のFOXニュースなどでは、「今、この国で達成しようとしていることにとって、重要なので何度も繰り返し読んでいる聖書箇所がある。第一ヨハネの手紙4章だ。神を見た者はまだひとりもいない、もし私たちが互いに愛し合うなら、神は私たちのうちにいまし、神の愛がわたしたちのうちに全うされるのである。本当にその通りだと思う」と発言している。

 これを受けて英国のロイヤル・ウエディングで世界的に注目された、米国聖公会初の黒人総裁主教マイケル・カリー氏は、大統領が教会と聖書を偏った目的で政治利用したと抗議を表明。一方、トランプ氏の宗教顧問を務める福音派の著名牧師ジョニー・ムーア氏は、「恐怖、憎しみ、無政府状態を広めることで、この国を癒しから脱線させる人々」に怯むことのない大統領の姿をみて「決して忘れない」と賛辞を贈った。

米黒人暴行死、抗議デモが各地で暴徒化し4千人拘束 2020年6月1日

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