【ウクライナ侵攻】 日本正教会が公式に態度表明 「あらゆる暴力行為と破壊に反対」 2022年3月10日

 

 日本ハリストス正教会(正式名=聖自治日本正教会、ダニイル主代郁夫府主教)は3月10日、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて「愛と平和の希求」と題する声明を発表し、あらゆる暴力行為と破壊に反対するとの姿勢を明らかにした。「紛争の当事者である正教の兄弟間のみならず」全世界の「友愛と平和の実現」を願うとしてロシア正教会、ウクライナ正教会への具体的な言及は避けたものの、ウクライナにおける紛争の一日も早い終結を願うと同時に、「この紛争によるすべての犠牲者と被災者を慮(おもんぱか)る祈祷」を求めた。

 「東方教会」「ギリシャ正教」とも呼ばれる正教会は、ローマ・カトリック教会やプロテスタント諸教会とは異なる伝統の中で、初代教会からの聖伝を確かに受け継いで今日に至っている。日本正教会は、19世紀後半、ロシア正教会の宣教師・聖ニコライによって日本に伝えられ、その後の設立につながった。東京大主教区(大主教座=東京)、東日本主教区(主教座=仙台市)、西日本主教区(主教座=京都市)の3主教区からなり、東京大主教座が同時に日本府主教座を兼ねている。信徒は1万人ほど。日本府主教座があるニコライ堂は、神田駿河台のシンボル的存在となっている。

 日本正教会の歴史は、日露戦争やロシア革命、米ソの冷戦などと切り離すことができない。戦後は共産主義下に閉じ込められていたモスクワ総主教庁と事実上の断絶関係にあった。1970年にロシア正教会と和解したが、アメリカ・ロシア正教会がロシア正教会から独立して「独立教会」となるのに伴い、日本正教会も「自治教会」となった。首座主教たる府主教の承認をモスクワ総主教が行うほかは、国内教会の指導・管轄につき、完全な自律・自治を行っており、財政面でもロシア正教会から完全に独立している。

 声明の全文は以下の通り。


愛と平和の希求

 聖自治日本正教会は、あらゆる暴力行為と破壊に反対します。そして、今般のウクライナにおける紛争の一日も早い終結を切願します。

 聖自治日本正教会の全ての神品・教役者は、その敬虔なる信徒と共に、今般の紛争の当事者である正教の兄弟間のみならず、全世界における友愛と平和の実現のため、謙卑の心を以て衷心から祈り、この紛争によるすべての犠牲者と被災者を慮るための祈祷を献じてください。

 全世界の安和と衆人の合一を希求します。

聖自治日本正教会
主教会議
2022年3月10日 大斎初週の日に

【ウクライナ侵攻】 モスクワ総主教、ウクライナ侵攻へ言及 2022年2月28日

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