【書評】 『JKに語る!新約聖書の女性たち』 久野 牧

 「新約聖書に出てくる女性たち、ぜんぜん映えないけど超エモくてwwwwwタピりながらマジ語ろ
~!」と書かれた帯紙。さぞ、流行りのJK語満載の説教集なのかと思いきや、その語り口はいたって真面目。本書の「JK」は、狭い意味では著者が牧会する函館相生教会の近くにあるミッション・スクール、遺愛学院女子中学・高校の生徒たちのことで、ここに収められた説教は、夏の課題を果たすために主日礼拝に出席する彼女ら(特に高校生)に向けて語られたものである。生徒たちに、聖書に登場する女性を身近に感じてほしいとの思いから、「新約聖書に登場する女性たち」を主題とし、「いやされた女性たち」「イエスさまに仕えた女性たち」「赦された女性たち」「たとえのなかの女性たち」の四つのテーマに分け、16の説教が収録されている。

 説教の終わりには、それぞれ「お堅い」語り口とはミスマッチなLINE風の「Q&A」とTwitter風の「つぶやき」が挿入されている。「JKちゃん」は、「霊的な苦しみってなあに?」とか「死んだらオワリじゃあないの?」など、キリスト教の核心を容赦なく突いてくる。対する説教者は懸命に答えるのだが、「う~ん、わかんない(笑)」となかなか手ごわい。

 これらのやり取りは、実際に「JK世代」である編集者の家族が一緒に工夫して考案したのだという。「固いわたしのあたまからは出てくることのないもの」と著者。しかし、そこには「今あなたには分かるまいが、後で、分かるようになる」(ヨハネ13:7、新共同訳)の出来事が彼女たちに起こり、この説教が身近なものになるようにとの願いが込められている。

 本書では、マグダラのマリア、サマリアの女性、マルタとマリアの姉妹など聖書でおなじみの女性だけでなく、十二人の弟子の母親、やもめなど名前のない女性がさまざま登場する。彼女たちをとおして、キリスト教の考え方や、信仰に大切なことが語られていくのだが、信仰をまだ持たない「JK」たちには、今をよく生きるこための知恵とも言えるものばかりだ。(クリスチャンプレス・坂本直子)

【書評】 『中高生に信仰を伝えるために』 川口竜太郎

【本体1,600円+税】
【一麦出版社】978-4863251212

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