【書評】 『中高生に信仰を伝えるために』 川口竜太郎

 高校生世代への伝道と信仰訓練とに取り組んできた高校生聖書伝道協会(hi-b.a=ハイ・ビー・エー)。本書は、その代表スタッフが教会学校教案誌「成長」に執筆していた連載に加筆・修正を加えてまとめたもの。

 教会から中高生の姿が減りつつある中、どのように信仰を継承していけばいいのか、中高生の現状を伝えながら、情報や課題を提供する。ただし、中高生を集めるための手法やノウハウが紹介されているわけではない。

 「高校生はキリストを必要としている」と確信する著者。中高生と関わる時に大切なこととして、「多くの中高生が集まるのはゴールではなく、スタートであるという認識を持つこと」と、「集めることよりも育てることに重点をおくこと」の二つを挙げる。実際、教会に中高生が訪れたとしても、その後教会になかなかつながらない厳しい現状がある。教会の目的は、中高生が神と共に生きられるようにすることであり、中高生を集めることはあくまでも手段であることを改めて気づかされる。

 神の愛や励ましのメッセージは大切だが、それだけでなく、将来もみ言葉に歩み続けることを伝える必要があると説く著者。そのためには、信頼関係を構築し、彼らが直面している課題や事柄を把握することが大切で、そのためには時間をかけて根気よく彼らと付きあっていく覚悟が必要となってくる。

 クリスチャンホームで育った子どもたちも例外ではない。聖書に慣れ親しんできたので知識は豊富だが、信仰の魅力を感じずにいる。次第に福音の恵みが重荷にとなり、教会から離れていってしまう。「幼い頃から教会で育ってきた彼らには、今まで聞いてきた福音の力を、彼らの分かる言葉で根気よく伝えていくならば、福音を再確認し、信仰を再燃させることができる」

 中高生世代への信仰の継承は、牧師や教師、伝道団体のスタッフだけで担いきれるものでない。自らの時代とは違う環境の中で生き、価値観も異なる現代を生きる中高生。かつての中高生たちは、彼らを前に戸惑うことばかりだが、そんな不安を希望に変えるヒントが見出せるかもしれない。(クリスチャンプレス・坂本直子)

【書評】 『JKに語る!新約聖書の女性たち』 久野 牧

【本体1,000円+税】
【いのちのことば社】978-4264041481

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