教皇が韓国を司牧訪問 アジアの若者と交流、朝鮮半島統一を祈る 2014年9月6日

 教皇フランシスコが8月14日、京畿道城南のソウル空港(軍用空港)に到着した。教皇の来韓は1984年と89年のヨハネ・パウロ2世以来で3回目。

 教皇は同日、青瓦台(大統領府)で朴槿恵大統領や公職者らを前に演説し、平和への努力を呼びかけた。韓国聯合ニュースなどが報じた。

 教皇は「平和は単純に戦争がないということではなく、正義の結果だ。正義は許しと寛容、協力を通じて不義を克服することを求める」と説き、「われわれ皆が平和を築くために献身し、平和のために祈り、平和を実現させるという決意を固めることを願う」と述べた。

 教皇は15日午前、大田(テジョン)のワールドカップ競技場で韓国の信者たちとの最初の出会いとなるミサを司式した。競技場には5万人の信者が詰めかけた。

 バチカン放送(日本語電子版)によると、カトリック教会の典礼暦で「聖母の被昇天」の大祝日のこの日、教皇は説教で、韓国のキリスト者たちが社会の様々な場において精神的刷新のための寛大な力となっていくことができるよう、聖母の保護を祈った。

 ミサの後半、正午のアンジェラスの祈りの際、今年4月に韓国で起きたフェリー「セウォル号」転覆事故の被害者を心に留めた教皇は犠牲者の冥福と共に、遺族と支援者に神の慰めと支えを祈った。

 教皇は、大田の大神学校で若者たちと昼食を共にした。昼食会に参加したのは、アジア各国18人の青少年たち。教皇と食卓を囲み、若者たちの目から見たそれぞれの国の教会の印象などを語ったという。

 同放送によると、昼食後、教皇は忠清南道唐津郡のソルメ聖地に向かった。ソルメは、韓国の最初の司祭で殉教者、聖アンドレア・キム・デゴン(金大建1821~46)の出生地として、巡礼地になっている。

 次いで行われた教皇と若者たちの集いでは、「第6回アジア・ユース・デー」参加者数千人が教皇の言葉に真剣に耳を傾けた。アジアの青年信者を代表して、カンボジア、香港、韓国の若い男女が教皇に信仰生活を語り、いくつかの質問を投げかけた。

 カンボジアの女性が、ポル・ポト政権下の殉教者の存在に触れると、教皇はこれらの殉教者について調査するよう関係者に伝えると約束した。

 韓国の女性は、南北に分断した朝鮮半島の苦しみについて述べた。教皇は、朝鮮半島は一つ、一つだが分裂した家族のように分かれている、と話し、何よりもまず北の兄弟たちのために祈り、主に統一を助けてくださいと祈ることだと励ました。

     ◇

 教皇は16日、ソウルの光化門で、殉教者パウロ・ユン・ジチュン(尹持忠)と123人の列福ミサを行った。約80万人の信者らが会場前の大通りや周辺を埋め尽くした。

 同放送によると、この日、福者の列に加えられたユン・ジチュンと123人は、18、19世紀の殉教者で、韓国の初期キリスト教共同体の信仰を証しする人たち。

 ミサの説教で教皇は、これらの殉教者は、キリストをすべての上に置き、信仰において妥協しないことと、信仰生活においては助けを必要とする人々への愛の業が大切であることをわたしたちに思い出させると話した。

 教皇は17日、ソウルから約100キロ離れた忠清南道瑞山市の海美(ヘミ)聖地を訪れた。同地は18世紀から19世紀にはカトリック信者ら数千人の殉教の地になっている。

 海美で教皇はアジア各国の司教らと会談。アジアの教会の宣教の本質的な要素は「対話」であると述べた教皇は、真の対話に取り組むには自らのキリスト者としてのアイデンティティーの深い自覚と、開かれた態度、相手に対する受け入れ、そして洞察力が必要と指摘、今日のキリスト者のアイデンティティーを脅かすものとして、真理の追求を妨げる相対主義、真に重要なことから目を反らせるはかない表層的な文化、積極的に外に向かわず安易な答えや決まりごとに逃げ込む態度を挙げた。

 教皇は「アジア大陸でバチカン(ローマ教皇庁)と完全な関係を持っていない国々は対話をためらわないでほしい。政治対話だけでなく、兄弟としての対話もある」とも述べた。特に中国や北朝鮮のバチカンへの警戒感を意識してか、「キリスト者は征服者としてやって来るのではない」と強調した。

 教皇は同日午後、海美で、第6回アジア・ユース・デーの閉会ミサを行った。

 同放送によると、「起きよ、光を放て!」(イザヤ60・1)をテーマに、開催されたアジアのカトリック青少年の集いは、この日が最終日。閉会式のため約4万人の若者が集った。教皇は、「アジアの若者たちよ、起き上がりなさい!」と力強い励ましを与えた。

 教皇は18日、ソウルの明洞聖堂で「朝鮮半島の平和と和解のためのミサ」を行った。

 共同通信によると、教皇はミサの冒頭で2~3分間、最前列に座った旧日本軍の従軍慰安婦だった韓国人女性7人全員の手を握り、うち1人の話に耳を傾けた。元慰安婦を支援するバッジが手渡され、教会関係者が教皇の胸元に着けた。

 教皇はミサ後、バチカンへ帰国の途についた。(CJC)

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