ルターの妻カタリーナも題材に 文楽とルネサンス・ダンスが「邂逅」 2017年10月21日

  宗教改革500年を迎えた今年、ルターを題材に、文楽(人形浄瑠璃)とルネサンス・ダンス(17~18世紀のバロックダンス以前の宮廷舞踊)を融合させた作品「楽劇『ルター』――文楽とルネサンス・ダンスの邂逅(かいこう)」が10月29日に初演される。制作したのは日本文化論、比較文化論を専攻する上村敏文氏=写真。同氏は文楽の草案と詞章、及び総合演出を手掛けた。日本研究を行っていた筑波大学院生時代より能を本格的に学んだ同氏は、ルーテル学院大学准教授の2012年には新作能「ルター」を創案、試作を日本福音ルーテル稔台教会(千葉県松戸市)、国際日本文化研究センター(京都市西京区)で上演した。

 今回の作品は、文楽とルネサンス・ダンスを一場ごとに交互に組み合わせ、文楽ではルター、ルネサンス・ダンスではルターの妻カタリーナの主な出来事を演じるという構成。今回は文楽人形を使用せず、三味線と語りのみで表現する。ルターを「語る」のは文楽の太夫、豊竹呂太夫氏(日本福音ルーテル大阪教会教会員)。同氏は以前にも、文楽でイエスの生涯を描いた『キリストの生涯と十字架』を発表している。

 ルネサンス・ダンスでカタリーナを踊るのは湯浅宣子氏(英国ロスティボリルネサンス・ソロダンサー)。振付と演出も同氏が手掛けた。

 今回上演される作品は笠谷和比古氏の要請により誕生した。関西楽劇フェスティバル協議会代表幹事の同氏が、豊竹呂太夫氏が日本福音ルーテル大阪教会員であることを知ると、上村氏に「文楽でルターを」と訴え実現した。  

 また湯浅氏は、笠谷氏が名誉教授を務める国際日本文化研究センター(京都市)の伝統芸能総合研究プロジェクトで14年に作品「安寿と厨子王」を発表した。その湯浅氏を笠谷氏から紹介され、上村氏はルネサンス・ダンスでカタリーナについて表現する構想を温めてきたという。

 新作能「ルター」が青年ルターの悩みや贖宥状への疑問を題材にしたのに対し、本作ではルターの妻カタリーナにも焦点を当てたのは、宗教改革を女性の視点で捉えたいという同氏の思いから。 

 6人の子どもを育てながら、家計の足しにと学生寮で数十人の人々の面倒を見ていたカタリーナのことを、ルターが「王侯の支配権よりも価値がある」と語っていたことを挙げ、「カタリーナの存在なしにはルターの宗教改革は成し得なかったのでは」と話している。

 上演は10月29日(日)午後3時~と6時~の2回。会場は日本福音ルーテル大阪教会(大阪市中央区)。チケット5千円(S席)、4千円(A席)、3千円(B席)。チケット購入は関西楽劇フェスティバル協議会(℡06-6940-0731)。問い合わせは、同協議会・上村(Eメール=rgakugeki[アットマーク]yahoo.co.jp)まで。

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