【社告】 第1回 聖書×トークメーカー 『ライトノベル新人賞』 結果発表

 たいへん長らくお待たせいたしました。昨年末に応募を締め切りましたキリスト教ライトノベル創刊のための小説賞、第1回『聖書 × トークメーカー ライトノベル新人賞』につきまして、本日3月5日に選考結果を発表させていただきます。

受賞作品

 
大賞
『17歳の牧師だけど何か質問ある?』

準大賞
『聖書RPG ~救世主と4人の天使たち~』

佳作
『先輩はエクソシストじゃありません!』
『ンンン、天使の試練んんん!』
『みされぽ 〜天から舞い降りた不思議な課題〜』


全体講評

 
 想像を上回る数の応募をいただきありがとうございました。改めてキリスト教や聖書に対する「中二病」的関心の高さを実感することができました。受賞作の選考で特に念頭に置いたのは、すでに数多くのラノベ作品が聖書やキリスト教の天使・悪魔などのモチーフを採用している中で、〝本家本元〟である老舗出版社が後発レーベルを立ち上げるに際し、どう差別化できるかという点でした。「宗教不問、改宗不要、プロアマ不問」というざっくりとした応募資格で、自由度も高く、縛りが少ないだけに、聖書の物語そのものをラノベ化したものから、キリスト教学校を舞台にしたラノベまで、趣向を凝らした多彩な作品が寄せられたと思います。初の試みにもかかわらず、賞を盛り上げていただいた多くの関係者の皆様、応募者の皆様に改めて感謝申し上げます。ぜひ、次回以降につなげたいと願っております!

個別の受賞作品へのコメント

 

大賞
17歳の牧師だけど何か質問ある?

 リアルな教会を舞台にしながら、ラノベ的なキャラ設定、ストーリー展開のミックス具合が絶妙だと感心しました。「17歳の牧師」は現実にはあり得ませんが、日本の教会文化に忠実な描写が随所に見られ「もしかして……いるかも?」と思わせてしまう説得力がありました。世代に幅のある「キリスト新聞」の読者層を想定しても、広く受け入れられやすい作品だと確信しています。テキスト作品のため、どうビジュアル化できるかも楽しみです。

準大賞
聖書RPG ~救世主と4人の天使たち~

 ベースとなる聖書をなぞりつつ、4人の天使が織りなすドタバタ喜劇が純粋に楽しい作品。神やイエスが登場する応募作は他にもありましたが、本作の神、イエスの設定は異色で、新しいキリスト教観を構築してくれそうな予感がします。このキャラクターなら、何をやっても面白くなりそう。漢字でそろえた各章のタイトルにもお遊びがあって好きです。大賞受賞作とは毛色も異なりますが、こういう可能性もあるのかと思わされました。

佳作
先輩はエクソシストじゃありません!

 「幽霊」「霊感」「悪魔祓い」と、およそ「正統」なキリスト教とは相容れないように思える要素をうまくちりばめ、作品として成立させている手腕はさすがです。おそらく実在の「神学部」がモデルとなっているため、リアリティも担保され、随所にマニアックな知識も出てくるのでコアな信者でも楽しめそう。ただ、オカルトが苦手という読者には入り込みにくいかも。

佳作
ンンン、天使の試練んんん!

 期末試験に落ちた補習として、人間界でキリストの教えを実現させるという課題に取り組む「へっぽこ見習い天使の三人」が主人公。難しそうな内容を柔らかく伝えるというラノベの特性をうまく生かせている作品だと思います。ただ、話がやや拡散気味で登場人物も多いため初心者にはとっつきにくいかも……という点が気になりました。同じ主人公で、他の「課題」と展開を見てみたいと思いました。

佳作
みされぽ 〜天から舞い降りた不思議な課題〜

 「フツーの中学生女子が教会に足を踏み入れたら」という現実にもありがちな展開を丁寧に作品化しています。「ラノベ」と呼ぶにはややオーソドックス過ぎますが、10代が読めるコンテンツとしてはこのような読み物も増えるといいなと思わされました。「教科書」的なニュアンスがやや強いので、教条的・啓蒙的な要素を少し抑えた方がより読みやすくなると思います。


ラノベレーベルへの意気込み

 

 つい先日、『ラノベ古事記』(KADOKAWA)著者の小野寺優さんにインタビューする機会がありました。小野寺優さんは古事記が好きすぎて、若者に何とかして伝えたいと考えた末に、あまり読んだことも書いたこともない「ラノベ」というジャンルに果敢に挑戦したといいます。今日のキリスト教出版界に決定的に欠けているのは、この熱量です。本気で誰かに何かを伝えたいと考えれば、それなりの工夫と覚悟が要るはず。しかし長年、10~20代の若者が手に取ることのできるキリスト教のコンテンツは皆無と言っていいほど貧しい状況でした。キリスト新聞社は満を持して、カードゲーム、アプリゲームの開発に着手し、今回ようやく「トークメーカー」様のご協力により、ラノベ、そして4コママンガの募集にも取り組む機会をいただきました。小野寺優さんは数ある入門書を読み漁った末、「『萌え』というものを全くわかっとらん」という結論に至ります。私たちが創刊するレーベルは、読者の求める「萌え」要素も意識しつつ、500年前の「宗教改革者」に倣い、新しいチャレンジを続けていきたいと考えています。引き続き応援のほどよろしくお願いいたします。

http://www.kirishin.com/2017/12/18/10262/

選評委員による選評はこちらから
 架神恭介(作家、漫画原作者)/至道流星(作家、会社経営者)

https://talkmaker.com/winner/kirishin-winner.html?v=1.0

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