「史上初」の米朝首脳会談 キリスト教界期待した結果は? 2018年6月21日

各国・各教派の反応評価は二分? 
「平和と和解のために祈り続ける責務」

 6月12日、シンガポールで会談したドナルド・トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は、双方が署名した共同声明を発表した。「史上初」や「歴史的な首脳会談」を強調したが、焦点だった北朝鮮の「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)や、朝鮮戦争の終結への言及はなかった。

 会談の開催を最優先にし、難題を先送りにしているのを見て、各メディアは「米朝首脳、非核化と北朝鮮の体制保障で合意具体性に疑問符も」(ロイター)、「米朝雪解け、日韓の心境複雑『体制保証』争点に」(ウォールストリート・ジャーナル)などの見出しを付けて報じた。

 日本にとって最大の関心事である「拉致」についても、明確な進展は伝えられなかった。拉致された被害者も、父母兄弟など関係者も、期待を裏切られながら、時の流れゆくままになお置かれている。

 キリスト教世界でも、米朝首脳会談への期待は高かったが、それは満たされなかった。会談では北朝鮮のキリスト教徒についても言及した、とトランプ大統領は語ったが、「言及」の中身は明らかにされていない。

 世界教会協議会(WCC)のオラフ・フィクセ・トヴェイト総幹事はその成果が「この地域におけるより平和で安全な未来に向けた道の重要な第一歩」であるとして、神に感謝をささげた。WCCが同日、英文公式サイトのニュースで伝えた。

 「同首脳会談は未曾有の危険と高まる対立の時期を経て行われた。しかしながら、米朝両国の指導者たちは、平和と繁栄を求める自国民の願いに従って新たな関係を確立し、朝鮮半島に永続的で安定した平和を築く努力を共にする約束を宣言した」と説明。「北朝鮮はまた、朝鮮半島の完全な非核化に向けて働くという、2018年4月27日の板門店宣言でなされた自らの約束を再確認した」と述べた。

 WCCは朝鮮半島の対立と分断を解決するための手段として、30年以上にわたり対話と交流を促進してきた。「共同声明が認めているように、これら相互の確認を行動へと変えていくという困難な仕事は、まだ始まったばかり」とトヴェイト総幹事は述べた。

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